DPC対象の病院が利益を確保するために、何をすればよいのか。

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2014/03/30
DPC対象の病院が利益を確保するために、何をすればよいのか。

平成26年度の診療報酬の改定によって、「7対1」、「10対1」の急性期の病棟を持つ医院や病院は、今後は高度急性期に行くのか、亜急性期に行くのか、方向性を決めなくてはいけなくなりました。

ただ実は、DPC対象病院は、すでに段階的な診療報酬の見直しが平成24年度の診療報酬改定から続いていて、平成26年度でも反対意見は出ませんでした。

DPCとは、診断群分類包括評価という制度で、医院や病院は、患者の入院1日あたりの診療報酬を定額でもらえるのです。出来高で診療報酬を計算するよりも、医院経営や病院経営にとっては有利なので、増え続けています。

ただ、手を挙げれば、すべての医院や病院がDPCで診療報酬を計算できるわけではありません。
それでは、DPCを導入できる病院の基準とは、どのようなものでしょうか?

  • 【1】    一般病棟入院基本料等の「7対1」または「10対1」の入院基本料に係る届出を行っている。
  • 【2】    診療録管理体制加算に係る届出を行っている。
  • 【3】    標準レセプト電算処理マスターに対応したデータの提出を含め、厚生労働省が毎年、実施する「DPC導入の影響評価に係る調査(特別調査を含む。)」に適切に参加している。
  • 【4】    【3】の調査において、適切なデータを提出し、かつ2年間(10か月)の調査期間の「データ/病床」比が8.75以上となっている。

そして、DPCの1日当たりの点数は、下記のように計算されます。

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先ほどの見直しとは、「暫定調整係数」のことを指します。

これは、前年度の包括部分の収入を担保している係数で、例えば、DPC準備病院 から、DPC対象病院になったとき、「出来高計算1.1億円 ÷ DPCに置き換えると1.0億円の病院」とすると、「調整係数1.1」と計算されて緩和してくれます。

一方、「出来高計算0.9億円 ÷ DPCに置き換えると1.0億円の病院」であれば、「調整係数0.9」として、変化がありません。

つまり、診療報酬が一気に減ってしまうと困るので、医院経営や病院経営を助けるという意味の調整係数なのです。それだけ、厚生労働省はDPC対象病院を増やしたいという意図もあります。

この係数は、平成24年度の診療報酬の改定より段階的に廃止されていて、平成26年度の診療報酬改定では、全国平均の1.0を超える「上積み分」の50%を新しい機能評価係数Ⅱへ置き換えました。あと2回の改定で、25%ずつを置き換えて、最終的には100%が「機能評価係数Ⅱ」に置き換わります。

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ということは、この「機能評価係数Ⅱ」の数値を改善していくことが、DPC対象の医院経営や病院経営の利益を確保することにつながります。

それでは、「機能評価係数Ⅱ」とは、どのような係数なのでしょうか。
実は、これも平成26年度の診療報酬改定で見直しが入りました。

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機能評価係数Ⅱのそれぞれの項目を見ていきましょう。

  • 【1】    保険診療指数 → ほとんど毎年一定です
  • 【2】    カバー率指数 → 病床(ベット)の数に比例します
  • 【3】    救急医療指数 → 救急車の数など運の要素もある
  • 【4】    地域医療係数→シェアなので、地方は高く、都会は低い

というように、上記の4つの項目は医院経営や病院経営を工夫しても、コントロールが難しい項目になります。(救急医療指数は、少しコントロールできます)

とすれば、効率性指数、複雑性指数、後発医薬品指数をコントロールすれば、「機能評価係数Ⅱ」の数値を改善させ、医院経営や病院経営の利益を確保することができると言えます。

具体的には、救急に力を入れると良いと分かります。

  • 【1】    緊急性、重篤度が高い症例は、入院2日目までの医療資源投入量が多くなって、救急医療係数が上がる。
  • 【2】    1入院における医療資源投入量が多い疾患割合が高くなると、複雑性指数が上がる。
  • 【3】    救急搬送を受け入れるため、病床を確保しておくことは、患者を回転させることにつながり、効率性指数を上げる。

ただ間違ってはいけないのは、患者の1入院あたりの点数が高く、入院が長いと、複雑性指数は上がりますが、過剰診療、先発薬を使っても、複雑性には関係ありません。

それどころか、今回、後発医薬品指数が導入されたことで、先発薬を使うことは、医院経営や病院経営にとってはマイナス評価になります。
また、DPC対象の病院が赤字を縮小するために、医師や看護師の数を減らすと、救急には対応できなくなります。

それは、複雑性指数や効率性指数を下げてしまうことになるため、診療報酬が下がり、医院経営や病院経営の赤字を拡大させる結果になります。

DPC対象病院としてやっていくのであれば、医師や看護師を増員して、患者の回転数を全国平均よりも高くする医院経営や病院経営を目指すべきなのです。

そのために、人件費が上がったとしても、それをカバーする診療報酬がもらえます。
医院や病院の組織はすぐに改善できるものではありません。

できるだけ早くそのことに気付いて、医院経営や病院経営をその方向に進めていく決断をすべきだと思います。

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