自分の診療科目にあった戦略を立てて、実行することが大切です

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2015/06/20
自分の診療科目にあった戦略を立てて、実行することが大切です

自分の診療科目にあった戦略を立てて、実行することが大切です

前回は、内科と産婦人科の戦略を考えましたが、今回は、それ以外の診療科目の医院経営や病院経営について、考えていきます。

1.整形外科について

厚生労働省から発表されている、整形外科のクリニック(ベッドなし)の1ヶ月の医業収益と費用、それに差額の利益は、下記のようになっています。

医業収益

12,724千円

 (1)保険診療収入

10,816千円

 (2)自費診療収入(診療報酬以外の収入も含む)

1,908千円

   

医療費用

11,669千円

 (1)給料

6,230千円

 (2)医薬品費

1,817千円

 (3)材料費

366千円

 (4)委託費

462千円

 (5)減価償却費

462千円

 (6)その他の医業費用

2,333千円

   

利益

1,340千円

整形外科は、内科と比べると、交通事故を取り扱うため、自費診療収入の割合が少し多くなります。

それが、最近では、老化による骨や関節の傷害の予防にも力を入れる医院や病院が増えたことで、さらに自費診療収入の割合が増えていくと予想されます。
また、リハビリステーションの診療報酬が改定されたことで、医院や病院に併設して、理学療養士や作業療法士に手伝ってもらえば、医業収益が2倍、3倍となります。

そこで、私がリハビリステーションを作る提案をすると、その初期投資の金額にびっくりしてしまう院長先生もいます。
リハビリステーションは、看護師や社員の数もかなり増やさなくては、やっていけません。

それでも、厚生労働省が、在宅で療養する人を増やしたいと考えているため、リハビリステーションの存在は大きくなっています。

患者にとっても、自分の足で歩くことが、健康的に生活できる秘訣ではないでしょうか。
実際に、初期投資のお金も平均で5年もあれば、回収できているので、リハビリステーションを作ることをお勧めします。

 

このように整形外科は、予防やリハビリのために、患者に、何度も定期的に来院してもらう必要があります。
内科と比べて、急患の全体の患者に占める割合は少ないと言えるでしょう。

整形外科だけではなく、眼科や皮膚科でも同じように予約して来院する患者が多いのですが、「患者の予約の取らせ方」がすごく重要になってきます。

まず、患者から直前に予約をキャンセルされると、院長先生も看護師も手待ち時間が増えてしまい、医院経営や病院経営としてはマイナスです。
通常、患者が窓口でお金を精算するときに、次回の予約を取るはずです。

このとき、受付の社員は、患者に、「次回の診察、またはリハビリで、どのくらいの時間がかかるのか」を伝えなければいけません。

予約を取って来院する患者は、急患ではないことが多く、延期することに抵抗がありません。
そのため、あとで患者が他の用事を入れるときに、時間が読めない診療を延期すればよいとキャンセルしてしまうのです。
そもそも、診療の時間が読めていれば、キャンセルする必要がないのです。

 

次に、患者が予約している時間に行っても、1時間も待たされると、やはりキャンセルする原因になります。
診療のあとに、他の用事があったのに、それで間に合わなくなってしまうからです。

患者は、「あそこの医院に行くと、時間が読めないからな」と思うと、暇なときにしか、予約を守らなくなります。医院も時間を守らないため、患者もキャンセルすることに抵抗感がありません。
これも、受付が、患者の予約を入れるときに、急患を無視して、一杯に入れてしまうことが原因です。

医院や病院では、絶対に一定の率で急患が入るのですから、それを念頭において、予約を入れていくことが大切です。

 

このように、患者が予約した時間通りに来院して、リピートもしてもらうためには、受付の社員の教育がキーポイントとなるのです。
キャンセル率は10%未満が通常なので、整形外科で予約のキャンセル率が10%以上であれば、必ず、予約の取らせ方に問題があると認識して、改善しましょう。

 

2.眼科について

厚生労働省から発表されている、眼科のクリニック(ベッドなし)の1ヶ月の医業収益と費用、それに差額の利益は、下記のようになっています。

医業収益

11,722千円

 (1)保険診療収入

11,489千円

 (2)自費診療収入(診療報酬以外の収入も含む)

233千円

   

医療費用

9,388千円

 (1)給料

5,207千円

 (2)医薬品費

804千円

 (3)材料費

405千円

 (4)委託費

336千円

 (5)減価償却費

359千円

 (6)その他の医業費用

2,277千円

   

利益

2,334千円

眼科は、レーシックなどの自由診療を行っていないかぎり、保険診療収入が、医業収益の90%を超えることになります。

少し前は、コンタクトレンズを販売するお店に併設して、コンタクトレンズ処方箋を発行するだけの眼科も多かったのですが、診療報酬が改訂されたことで、減少しています。
最近は、視能訓練士と一緒に、弱視や斜視や低視力者へ検査から、リハビリを行う医院や病院が増えてきました。

また、眼科の特徴は、診療圏が他の診療科目に比べて、かなり広くなることです。

風邪で熱があれば、自宅の近くの内科に行きますし、足が骨折しているのに、理由もなく、電車を乗り継いで、遠くの整形外科には通いません。
ところが、眼科は、熱があるわけでもなく、動くのが不自由なわけでもないので、30分ぐらいならば、電車に乗って患者が来院することも、おかしくありません。

そのため、院長先生の専門性に特化した医院経営や病院経営を行いやすい診療科目とも言えます。

例えば、白内障の手術設備を導入して、日帰り手術に特化したり、角膜屈折の矯正だけに特化することでも、十分、患者が集まります。
内科の医院や病院との連携だけではなく、同業の眼科の医院や病院と連携して、紹介し合うという方法で、医業収益を上げることもできるでしょう。

さらに、診療圏が広いので、駅の広告も、医院や病院に一番近い駅だけではなく、隣の駅、隣の隣の駅にも出しても効果があります。
地域が限定されないインターネットによる広告もよいですし、郊外であれば、バスの中に出す広告も効果があります。
専門性を打ち出すことができれば、遠くからも患者が増えるでしょう。

 

3.耳鼻咽喉科について

厚生労働省から発表されている、耳鼻咽喉科のクリニック(ベッドなし)の1ヶ月の医業収益と費用、それに差額の利益は、下記のようになっています。

医業収益

7,018千円

 (1)保険診療収入

6,952千円

 (2)自費診療収入(診療報酬以外の収入も含む)

66千円

   

医療費用

6,225千円

 (1)給料

3,595千円

 (2)医薬品費

637千円

 (3)材料費

76千円

 (4)委託費

178千円

 (5)減価償却費

253千円

 (6)その他の医業費用

1,487千円

   

利益

793千円

耳鼻咽喉科も、眼科と同じように、医業収益のうち、保険診療収入の割合が90%超となる診療科目です。それでも、医業収益は、他の診療科目と比べると、低いと言えます。

というのも、冬は風邪と花粉症の患者が一気に増えて、忙しいのですが、夏になると、一気に閑散となるので、医院経営や病院経営の足を引っ張っているのです。

そこで、看護師や社員の有給休暇を夏に強制的に取ってもらったり、1年間の変形労働時間制を導入します。
このことで、看護師や社員が忙しいときにいなくなり、閑散期に暇になるということを防ぎ、ムダな給料を抑えて、医療費用を節約するのです。

 

一方、医業収益が上がる工夫も必要なのですが、そのためには、繁忙期と閑散期の患者への対応が、キーポイントとなります。

まず、冬に耳鼻咽喉科に行くと、患者はかなり待たされて、それが嫌で転院してしまいます。
そのため、予約システムを導入したり、メールに登録してもらい、細目に混み具合を知らせるというサービスを導入しましょう。

メールに登録してもらえれば、そのあと、予防に関する情報も、定期的に送れます。
それが結果的に、患者が再度、来院してくれるつながりにもなるのです。

 

次に、夏の閑散期は、医院や病院のイベントを開催するという方法があります。

そもそも、耳鼻咽喉科の患者は、子供が多いという特徴があります。
子供を連れてくる親は、風邪がうつされることを嫌がるので、閑散期に、子供向けの予防や病気の相談セミナーなどを開催すると、将来の医業収益につながるのではないでしょうか。

それ以外にも、閑散期には、自由診療を行う患者に来院してもらう広告を出すという方法もあります。
そのためには、季節ごとに、駅の広告やインターネットの内容を変えていく必要があります。

 

次回は、皮膚科、小児科を診療科目ごとに、分析していきたいと思います。

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