診療科目別に、医業収益を上げる方法が、少しだけ違うんです

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2015/06/10
診療科目別に、医業収益を上げる方法が、少しだけ違うんです

診療科目別に、医業収益を上げる方法が、少しだけ違うんです

基本的に、診療科目が違ったとしても、医業収益を上げるために、医院経営や病院経営でやった方がよいことは、同じです。
ただ、診療科目によって、急患が多い内科と計画的に予約してリピートする眼科では、やはりビジネスモデルが、少し違います。
そこで、診療科目別に、医業収益を上げる方法を、考えてみます。

1.内科について

厚生労働省から発表されている、内科のクリニック(ベッドなし)の1ヶ月の医業収益と費用、それに差額の利益は、下記のようになっています。

医業収益

10,488千円

 (1)保険診療収入

9,776千円

 (2)自費診療収入(診療報酬以外の収入も含む)

712千円

   

医療費用

9,920千円

 (1)給料

4,742千円

 (2)医薬品費

2,024千円

 (3)材料費

396千円

 (4)委託費

414千円

 (5)減価償却費

383千円

 (6)その他の医業費用

1,961千円

   

利益

886千円

内科の医業収益は、他の診療科目と比べると、高くもなく、低くもなく、ちょうど平均ぐらいです。
医療費用を見ると、そこに占める給料の割合は、約47%と半分近くに上ります。
一時は、看護師を募集しても、全く集まらず、または、かなり高い給料を支払わないと雇えない状況があり、大腸内視鏡検査などを止めてしまった医院や病院もありました。

最近は、急性期病棟の基準が厳しくなったことで、療養型病棟に切り替える医院や病院も現れました。看護師の転職者も増えて、以前に比べれば、採用できる状況になってきました。
このことで、看護師の給料がずっと上がり続けるという現象はないと考えます。

そのため、内科の医業収益を上げることができれば、利益は増えていくと考えられます。
内科は間口が広く、病気になったら、まずは近くの内科に行くという患者が多いと思います。

そこで、内科は、「かかりつけ医」になるべきです。

同じ地域の耳鼻咽喉科、歯科医、眼科、皮膚科などと連絡を取り、ネットワークを作るとよいでしょう。
近くの大学病院や総合病院も、逆紹介率が気になるので、挨拶に来ることもあるはずです。
院長先生は、積極的に顔を出して仲良くしておくと、紹介しても安心という気持ちを持ってもらえます。

 

内科は診療科目の中でも、一番、数が多く、将来の診療報酬が減額で狙い撃ちされる可能性が高くなります。
若い院長先生は、将来に向けて、新しい事業への参入を模索しています。

介護事業への参入もありますが、デイサービスや介護付きの老人ホーム、小規模多機能、複合サービスなどは、初期投資も時間もかかります。
在宅介護であれば、初期投資はかかりませんが、かなり多くの社員を採用しなければいけません。

訪問医療であれば、現在の医院経営や病院経営の延長として、初期投資も抑えられ、短時間で参入できます。

ただ、院長先生が、午前中に医院や病院での診療を行い、午後から訪問医療という方法で、医院経営や病院経営を行うのは、不可能です。
そのため、訪問医療を導入するならば、専任の医師と社員を雇い、始めた方が成功への近道となります。

 

2.産婦人科について

厚生労働省から発表されている、産婦人科のクリニック(ベッドなし)の1ヶ月の医業収益と費用、それに差額の利益は、下記のようになっています。

医業収益

15,860千円

 (1)保険診療収入

7,373千円

 (2)自費診療収入(診療報酬以外の収入も含む)

8,487千円

   

医療費用

14,260千円

 (1)給料

7,939千円

 (2)医薬品費

1,236千円

 (3)材料費

647千円

 (4)委託費

726千円

 (5)減価償却費

495千円

 (6)その他の医業費用

3,223千円

   

利益

1,599千円

産婦人科の特徴は、保険診療収入よりも、自費診療収入の方が、割合が高いということです。
自費診療に特化して、医院経営や病院経営を行っている産婦人科もあるため、平均を押し上げていると思いますが、それでも、他の診療科目に比べると、突出しています。

医業収益に占める自費診療収入の割合が多いと、ホスピタリティーが要求され、手厚い対応が必要となるので、看護師だけではなく、社員の数も他の診療科目に比べると多くなります。

この傾向は続くので、産婦人科の医業費用の給料は、増えていくと予想されます。

 

それでも最近では、分娩数が減らず、横ばいとなっていますが、一方で、産婦人科を標榜する医院や病院の数は減ってきています。
特に、婦人科は行うが、産科はやらないという医院や病院も増えています。
そのため、産科を行う産婦人科を標榜していれば、医業収益は上がり、医院経営や病院経営が苦しくなることはないと予想されます。

 

また、産科を行う医院や病院の中には、病棟の個室を充実させ、食事も高級にして、「ホテルで出産する」というキャッチフレーズを掲げているところあります。
この場合には、初期投資が大きくなるので、銀行からお金を借りないといけません。

投資をどのくらいで回収し、かつ医院経営や病院経営の運転資金に余裕があるためには、どのくらいの患者を呼ばなくてはいけないか、事前にシミュレーションをしてください。
高級な路線で行くならば、看護師や社員の教育も、かなりしっかり行う必要があります。

 

一方、産科を行わない医院や病院は、医業収益が上げるための工夫が必要です。
そもそも産科は、24時間体制で、しかも必ず、女性の看護師や社員が必要となります。

産科を続けるのが難しいと考えた院長先生の中には、女性の晩婚化、初産の高齢化に目をつけて、不妊治療に特化して、自費診療収入だけの医院経営や病院経営に転換していることもあります。
もし産科を行わないのであれば、何かに特化して専門的な医院や病院を目指すべきでしょう。

 

最後に、産婦人科で一番、問題となるのは、未収入金です。
自費診療収入であれば、100%が患者の自己負担となり、金額も高額となります。
そもそも、患者が来なければ、医業費用は固定費だけとなりますが、すでに出産まで終わっていれば、変動費もかかっています。

それなのに、患者から未収入金を回収できないとすれば、医院経営や病院経営として、かなりの損失となってしまいます。
2009年からは、健康組合からの出産一時金が、患者に支払われるのではなく、直接、医院や病院に支払われることで、貸倒れを防ぐ試みも始まっています。

できれば、自分の医院や病院で出産してくれることが決まった段階で、最初に一時金を預かっておくようにしたいものです。
また、先ほどの不妊治療に特化した場合でも、1回の治療費は高額になります。

支払いが遅れている患者には、直接、電話して支払いの約束をさせるなど、患者に「支払わなくても、大丈夫そうだ」と思わせないことが大切です。

 

次回以降で、整形外科、眼科 耳鼻咽喉科、皮膚科、小児科を診療科目ごとに、分析していきたいと思います。

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