患者の待ち時間を減らすには、どうすればよいか?

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医療関連のコンサルティング
2011/12/11
患者の待ち時間を減らすには、どうすればよいか?

ラーメン屋がはやるかどうかは、味だけで決まるわけではありません。
あなたは、新規でラーメン屋に入るときに、そこの味は知らないはずです。
では、なぜ、そのラーメン屋に入ろうと思いましたか?

友達から教えてもらった、インターネットの口コミで見たということもあるかもしれませんが、最も多い理由が、長い行列ができているからというものです。 たくさんの人が並んでいると、自分も並んでみようかなと心理的な暗示にかかってしまいます。実際に、それだけ並んでいるのだから、おいしいはずだという先入観もできあがるため、味も高評価になりがちです。もちろん、ラーメン屋は、それを知っていて、わざわざ、店を大きくせずに、店の外に行列が作られるようにしているのです。

ただ、お客に店の外に並んでもらうのは、それだけの理由ではありません。
実は、お客がお店に入り、座ってからの待ち時間が長いと、不満が高くなるのです。
長時間、外で待っていても、お店に入ってからすぐに料理が運ばれてくると、不満が高くならないのです。

人間は、「待つ時間」というのが単純に長い、短いということではなく、どの場所で待ったのかということが、大きく感情に影響してくるのです。 これは、医院経営・病院経営にも言えることです。

病院の待ち時間患者の待ち時間が長いと、同じように不満が高くなります。ただ、ラーメン屋と同じように、外で待たせるわけにはいきません。風邪で体調が悪かったり、骨折して立てなかったり、歯が痛かったりするのです。

そこで、予約という制度を使って、患者の待ち時間を短くしようとします。 「予約」とは、患者と「診察開始時間」を前もって、約束しておくことです。ところが、患者が予約時間に行ったとしても、診察時間が押してしまったり、途中で急患が入ったりして、そこで1時間、2時間も待たされてしまうことがあるのです。

これでは、予約制にしたことで、余計に患者の不満を増やしていることになります。
それならば、来院した順番に、患者を診察する方法がよいのでしょうか。

そもそも、医院経営・病院経営の場合、駅近であったとしても、患者の容態が悪いため、自家用車で通院してくる患者が多くなります。 もし来院した順番に診察すると、駐車場が一杯になり、道路側にはみ出して止めて、空くのを待つことになります。これも、不満の1つになるのです。

予約もだめ、来院順もダメという場合には、
その日の電話で診察の順番を決める方法を
お勧めします。

患者は、電話することで、診察の順番を知り、凡その診察時間を教えてもらいます。
そして、来院する前に、もう一度、電話をして、診察時間を確認するのです。
これならば、患者は、自宅で待つことができ、医院・病院での待ち時間が少なくなり、不満が増えません。

このとき、順番取り、診察時間の確認には、専用の電話番号で対応すると、医院経営・病院経営としてもスムーズに対応できます。また、医院経営や病院経営の中には、インターネットによる予約システムを導入していることもありますが、患者の年齢層が高いと、使えずに、苦情になることがあります。

ということで、インターネットと電話予約の2つを導入してしまう医院や病院がありますが、それは、止めましょう。医院経営・病院経営の指示が混乱しがちになり、もし間違った診察時間を患者に伝えたりすると、不満が増えてしまいます。患者がどちらも使えるようにと、わざわざ、コストをかけて導入したことが、逆に分かりづらくなってしまっているのです。

システムはシンプルにすることで、運用する受付の社員も看護師も間違わなくなります。

ここでは、電話による診察時間の予約の実例を挙げておきますので、参考にしてください。なお、この医院の診察時間は9時からです。

(1)
診察開始の30分前から、専用電話による予約を取り始めるが、診察時間は10時半からとして、受付順番、名前、診察内容、伝えた診察時間を一覧にしておく

(2)
9時から30分間は、来院順に、受付順番、名前、診察内容を一覧表に書き入れる

(3)
9時半以降に、電話で予約せずに来院した患者も、一覧表に書き入れていくが、10時半以降の電話予約の患者が多い場合には、午後の診察時間になることを了承してもらう

(4)
そのあと、専用電話にかかってきた患者も、一覧表に加えると同時に、午後の診察時間を伝えて、それも書き入れておく

(5)
11時を過ぎた段階で、予想した診察時間を見直して、30分以上、ズレこんでいたら、赤ペンで、それ以降の診察時間を修正しておく、この段階で、午前中の診察が午後に変更になる患者には、電話して了承してもらう

(6)
専用電話に、診察時間の確認の電話がかかってきたら、名前を確認して、赤ペンで書いた診察時間を伝える

(7)
午後には、もう一度、診察時間を見直して、今度は青ペンで診察時間を修正する

上記の実例はあくまで、1つの例なので、自分の医院経営・病院経営に合うように、修正してみてください。なお、医院開業のときから、これらの予約や電話での順番取りの方法を導入するのは止めてください。

最初に、ラーメン屋の事例を挙げましたが、同じように、いつでもガラガラで、待ち時間がゼロでは、患者に「この病院大丈夫かな?」という感情を持たせてしまいます。医院経営や病院経営では、適度な待ち時間というのも必要になります。 そのため、患者数が多くなり、朝一番で来る患者以外の待ち時間が30以上になったときが、導入の目安となります。

また、新規の患者が多い医院・病院(内科であれば、午前中の新患が5人以上)では、電話での予約取りを知らずに来院した新患を待たせすぎてしまい、不満を増やしてしまうこともあります。 このような場合には、最初から新患が多いことを予想して、専用電話で順番取りの診察時間を詰めずに、少し時間を開けるようにしてください。

そうすれば、新患をその間に入れることができるので、スムーズな診察を行うことができます。  

新患に対しては、最初のイメージが重要です。

特に、内科などは、風邪で何度も通院しないため、1回目で待ち時間が長い、新患には不親切という不満を与えてしまうと、2回目以降の来院を望めなくなってしまいます。 これは、今までは新患は少なくても、周りにマンションや一戸建ての分譲ができて、将来、増えていくこともあるのです。 

どのような方法で来院した患者に対しても、ちょうどよい待ち時間が保てるように、柔軟に、医院経営・病院経営のシステムを修正していきましょう。

なお、適度な待ち時間を作ることで、患者とコミュニケーションを取ることができます。
その詳細については、他のページで紹介しますので、そちらも合わせて読んでください。

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