医業収益が下がってきたとき、その理由を分析していますか?

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2012/08/03
医業収益が下がってきたとき、その理由を分析していますか?

私が、顧問先の医療法人にお伺いして、院長に、
「ここ半年間の医業収益は、昨年の同じ時期と比べると、5%も下がっています。なぜですか?」
と聞くと、
「忙しさは、昨年とあまり変わらない気がするから、うーん・・・多分、診療報酬点数が下がったからだろう」
という答えが返ってくることがあります。

院長は忙しくて、感覚で「多分」と答えているのでしょう。

あなたの医院経営や病院経営に対する感覚というものは、現場で感じているものであり、すごく大切にすべきだとは思います。

ただ、健全な医院経営や病院経営を目指すならば、医業収益が下がってきたら、その理由を数字によって調べるべきです。

それによって、「診療報酬点数が下がったから」という理由になるかもしれません。それならば、あなたの感覚が合っていたことになりますが、他の理由によって医業収益が下がっているのに、放置してしまうと、あとで取り返しがつかない事態になってしまいます。

ちょっと分析するだけで、医院経営や病院経営が不安定にならないのです。

まずは、医業収益の仕組みを思い出しましょう。

医業収益 =
 診療単価(点) × 実患者数(件数) × 回転数(日)
 × 10円

介護保険では、地域によって1点の値段が違っていますが、医院や病院の診療報酬は、1点=10円となっています。これは将来、1点=10円というのは、介護保険と同じように、地域ごとに変わっていくはずです。

東京のように、人件費も賃料も高いところと、地方で人件費も賃料も安いところがあるのに、1点=10円では、不公平だからです。

それでも、現在は全国一律、1点=10円です。
ここで「診療単価」と「回転数」を分解してみましょう。

診療単価(点) =
 医業収益 ÷ 延患者数(実日数) ÷ 10円

回転数(日) =
 延患者数(実日数) ÷ 実患者数(件数)

また、1日の単価である診療単価ではなく、1件当たりの単価であるレセプト単価も計算してみましょう。

レセプト単価(点) =
 医業収益 ÷ 実患者数(件数) ÷ 10円

これを前提に、下記の2つの医院と病院の医業収益を比べてみてください。
どちらの医院経営も病院経営も内科で、1ヶ月の平均の医業収益を表しています。

1ヶ月平均

医業収益(千円)

=

実患者数(件)

×

レセプト単価(点)

×

10円

A医院

8000千円

=

1000件

×

800点

×

10円

B医療法人

8000千円

=

889件

×

900点

×

10円

差額

0円

=

111件

×

-100点

×  

1ヶ月8000千円の医業収益とすれば、1年間の合計は約1億円です。

院長1人で、この医院経営と病院経営を行なっているとすれば、十分です。
ただ、医業収益の金額は同じですが、分解してみると、その内容は違うことが分かります。

どちらが、将来的に安定した医院経営と病院経営が行えると思いますか?

答えは、A医院です。

なぜでしょう?
ここで、回転数も比べてみます。(内科は、患者の回転数の平均が1.2と言われています)

 

回転数

A医院

1.1

B医療法人

1.3

どうですか?なにか分かりましたか?

A医院は、実患者数が多いため、院長の診察が混みすぎています。そこで、薬を長めに出すことで、回転数を落としているのです。そのため、患者1人に十分な処置も行えていないので、レセプト単価も落ちているのです。

ということは、A医院は、アルバイトの医師を雇ったり、看護師を増やすことで、もっと医業収益を上げることができる余力があります。

一方、B医療法人は、実患者数が減っているので、1人の患者に多く来院してもらっているのです。だから回転数も上がっています。十分な処置も行えているため、レセプト単価も上がっています。

としても、実患者数が減っているので、ここから医業収益をすぐに上げるのは難しい状態なのです。

もちろん、この実患者数が以前よりも下がったのか、医療広告を行うことで、最近増えてきて、これらかも伸びる途中ということもあり得ます。

ただ、一般的に考えると、どうしても実患者数が減っているというケースが多く、実患者を増やす努力をしなければいけません。

これは、私から指摘しなくてもいいのかもしれませんが、どうしても大学病院などの病院経営では、外来患者の点数が抑えられていて、儲からないという現実があります。入院患者、しかも急患や短い入院患者への診療報酬点数が手厚くなっているため、そちらを重視しがちです。

そのため、薬は1回で14日分、30日分、または90日分を出すことができますが、どうしても外来患者には、長期処方をします。

そのため、最近は患者の方から、個人の医院や医療法人に対して、
「あの大学病院では、もっと長めに薬を出してくれましたよ」
と長期処方を望む声が多くなっています。

慢性的な病気で、病状も安定していれば、もっともな意見なのかもしれません。
ただその影響で、個人の医院経営や病院経営の回転数が減っている傾向にあります。

そこで、実患者数を増やすということに注目しなければ、これから安定した医院経営や病院経営を行なっていくことはできません。

それでは、どうすれば、実患者数が増えるのでしょうか?
それに関しては、医療広告の部分でお話します。

ここでは、医業収益が同じであっても、つまり前年度や他の医院と比べて同じであっても安心せずに、その内容を分析すべきだと言いたいのです。

間違っていけないのは、私は、実患者数だけを増やせばよいと言っているわけではありません。

回転数が下がるのを放置しておくべきではないのです。
十分な処置がされなければ、あそこの院長は丁寧じゃないと思われてしまう可能性もあります。

医院経営や病院経営では、適正な回転数を目指すべきなのです。

もし院長が忙しすぎるならば、アルバイトの医師を雇いましょう。

回転数を上げる方法は、いろいろありますが、もっとも効果的なのは、院長自らが、
「私は医師として、あなたの体調を管理したいので、2週間ごとに1度は来てください」
と声をかけることです。

意外と、患者は医師からそんなことを言われたことがないので、
「それならば、長期処方でなくてもいいですよ」
と答える患者が多いのです。

実際に、病状がいきなり悪化する患者もいるのです。
頻繁なケアが必要ないわけではありません。

あなたが、今まで、そんなことを言ったことがないならば、一度、試してみてください。

そのことで、回転数が上がり、患者とのコミュニケーションも頻繁になり、患者にとっても、医院や病院にとっても、よい効果が生まれるはずです。

それでも、
「実患者数も増えず、回転数も増やせない医院や病院はどうすればよいのか?」
という意見もあるかもしれません。

医療広告を行ったり、患者に声をかけることで、実患者数や回転数を増やす効果が発揮されるまでには、かなりの時間がかかることも事実です。

そこで、診療報酬点数をいじることによって、すぐに医業収益を上げる方法も考えることにしましょう。

長くなったので、次回に回します。

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