これからは「主治医」という役割に、診療報酬の点数が手厚くつきます。

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2014/03/20
これからは「主治医」という役割に、診療報酬の点数が手厚くつきます。

これからは「主治医」という役割に、診療報酬の点数が手厚くつきます。現在、厚生労働省は、大学病院や500床以上ある大病院と、地域の個人医院が連携して、その周りに住む人たちを、包括して面倒を見ていくという目標を立てています。

包括して面倒を見る範囲というのは、歩いて30分以内を指します。

具体的には、自分の家から徒歩30分圏内に、「主治医」がいる個人医院があり、風邪をひいたり、皮膚病になったりしたときには、そこで診察してもらいます。

足腰が悪くなったら自宅まで往診に来てもらったり、緊急の場合には24時間体制で相談もします。さらには、介護保険をどのように使ったらよいのかという提案まで「主治医」から受けることができるのです。

そして、手術が必要な重い病気になり、高度な医療が必要になったら、「主治医」に紹介状を書いてもらい、大学病院や大病院に入院します。
入院して病状が回復してきたら、「主治医」のところに戻りますが、もしその主治医では診れないような病状であれば、専門医への紹介状を書いてもらいます。(いわゆる逆紹介)

これが「地域包括ケアシステム」という構想です。

一昔前は、大学病院や大病院の受付に行くと、外来で診察して欲しい人が大勢、押し寄せてきていました。一方、周りには混んでいる医院や病院もありますが、閑散としている医院や病院もたくさんあります。

ハッキリ言って、大学病院や大病院は高額な医療機器を導入し、建物も強固で、専門医や看護師も揃っているため、1日の運営コストが高くなっています。
その人たちが、一生懸命、手術もなく、薬だけで治る風邪を診察していることは、国の医療費の無駄です。

もちろん、風邪をこじらせて、重い病気になる人もいるのですが、ほとんどの方が違います。やはり大学病院や大病院は、高額な医療機器を使い、専門的な技術で、難しい病気や手術を取り扱うべきなのです。

さらに、夜間や土日に、救急車が病人を搬送しようとすると、大学病院や大病院の時間外受付に患者が大勢並び、診察する医師が足りずに、救急を受け入れることができません。一方、周りの医院や病院はすでに閉まっています。

患者が大学病院や大病院を選んでいるので、仕方がないと主張する人もいましたが、本当に必要な診療を受けるべき人が、できずに亡くなってしまったという悲しい現実もありました。
これでは、医院経営や病院経営が怠慢だと批判を受けても仕方がありません。

そこで厚生労働省は、大学病院や大病院の外来に対する診療報酬の点数を大幅に下げていきました。特に大学病院や大病院の再診の診療報酬の点数では、患者を診察すると赤字になります。

そこで大学病院や大病院は、紹介状がなく、初診で大学病院や大病院に来た患者には、選定療養費という自費を負担させることにしたのです。
これで、外来は少なくなりました。

また、夜間や土日の時間外診療の改善も必要です。
平成24年には、時間外対応加算を医院や病院の診療報酬に上乗せする経済誘導をしました。それで一定の効果はありましたが、まだ不十分です。

そこで、平成26年度の診療報酬の改定で、「主治医」という機能をもっと強化しようということになりました。

具体的には、200床未満の医院について、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち、複数の病気を抱える患者を対象にする、「かかりつけ医」の包括診療を導入することにしたのです。

例えば、75歳の患者で、糖尿病と脂質異常症、月に2回医院で診察を受けた場合で、包括払いを選択すると、下記のようになります。

 

現在

4月以降

医院

再診料

69点×2回

地域包括診察料
(24時間対応、飲み薬、介護保険に関する相談、健康管理など)

1503点×1回

 

外来管理加算

52点×2回

その他加算・管理科

合計231点×2回

血液検査

49点×2回

処方箋料

68点×2回

処方にかかる加算

合計20点×2回

薬局

調剤薬局基本料

40点×2回

⇒ 41点×2回

基準調剤加算

30点×2回

⇒ 36点×2回

調剤料、指導料

合計104点×2回

⇒ 合計104点×2回

 

1ヶ月あたり合計1,277点 ⇒ 合計1865点

診療報酬が上がると医院経営や病院経営にとってはよいことですが、患者の負担は上がることになります。
そのため、導入する前に、院長先生から患者への説明が必要になるでしょう。
この地域包括診療料は、患者ごとに選択できますので、1人ずつ対応が違うことは問題ありません。

このような話をすると、周りの対応を見てからにしようと言って、結果的に、導入しない医院や病院があります。
ただ、厚生労働省は「地域包括診療料」をちょっと思いついたので導入したということではないのです。

外来は地域の医院や病院に任せたいという目標に向かって進んでいるのです。
結果的に、主治医が往診するようになれば、大学病院や大病院の入院患者も減って、医療費の削減にもつながります。

この経済誘導は、今後、もっと導入されていくことになるのです。

「主治医」という方向に何も対応せずにいて、医院経営や病院経営が最近、ちょっと苦しくなってきたなと院長先生が感じたときには、かなり出遅れていることになります。

厚生労働省が経済誘導している方向を見据えて、自分の医院経営や病院経営をそこに合わせていくという気持ちを持ってください。
そうしなければ、十分な医院収益を稼ぐことができません。

なお、地域包括診療料の他に、この今年の4月から新しく改定される診療報酬の概要は下記となります。
もしあなたの医院や病院に関係するものがあれば、なぜ、それが導入されることになったのかという背景を考えてみてください。

入院

新設

リハビリ専門職らが退院を支援する病床は、1日2558点という点数を新設する。

 

急変時の患者受け入れや訪問診療などをしている医院の看護体制が手厚い場合、入院基本料 (入院期間14日以内)は900円をプラスして、1日861点にする。

 

集中治療室(ICU)の管理料は、1日の点数を最大で13650点とする。

外来

 

500床以上の大病院で紹介状のない患者が多い場合、初診料を通常より減らし、209点にする。

在来

新設

在宅医療を受ける患者が、あらかじめ指定した病院に緊急入院する場合には、初日に2500点をプラスする。

24時間対応で看取りや重症者の受け入れに積極的な訪問看護ステーションには、月初の訪問時に1240点をプラスする。

個別の病気

新設

がん患者の不安を和らげるための医師や看護師の面接は、1回200点とするが、6回まで。

重い認知症の入院患者の早期リハビリは、1日あたり240点とする。

重い精神疾患の患者に医師や看護師らのチームが在宅医療を提供すると、最大で、1800点を月1回プラスする。

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