誰が、相続人になり、何が相続財産になるか、知っていますか?

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2014/11/20
誰が、相続人になり、何が相続財産になるか、知っていますか?

誰が、相続人になり、何が相続財産になるか、知っていますか? 院長先生の生前には、医院や病院を継ぐ子供が、相続税の心配をして、私のところにご相談に来ます。

ところが、院長先生が亡くなると、医院や病院を継ぐ子供は、相続税のことではなく、親族間の遺産分割についての相談に変わるのです。

相続税であれば、院長が亡くなったあとでも節税することができます。
また平成のバブルの時代と違い、相続が発生した日から遺産分割を話し合っている間に、建物や土地、株式などの時価がドンドン、変わってしまい、相続税が支払えないという事態もありません。

相続税は最大で、50%(平成27年1月からは、55%)ですので、不動産や株を現金化すれば、支払えないわけではありません。
それでも、医院経営や病院経営では、その不動産が特殊であったり、医療機器の売却は難しかったり、医療法人の持分は物納もできず、現金化もできないことを考えると、他の業種よりも相続税の節税対策は積極的に行っておくべきです。

ただ先ほども言いましたが、それよりも親族間で争うと、お金の話しではなく、感情的な話に発展するため、頭で理解するのとは違うところで、もめ事が進んでしまいます。
私たちのような会計事務所、医療機器や薬品会社の担当者、銀行などの第三者に対しては冷静な先生でも、姉や妹、弟と話をすると、感情的になってしまうことも多いようです。
しかも、親族間で長く争うと、それを取り戻そうと、頑張ってしまうのです。

でも、争ったところで、相続財産の金額は変わらないのです。
平成のバブルの時代でもないので、時価もほとんど一定です。
裁判をやれば、裁判費用や弁護士費用ばかりがかかり、相続財産は目減りしていくだけです。

院長が生前のときに、このような話をすると、
「そりゃそうだ。争うのは、バカらしい」
と笑うのですが、実際に相続が発生すると、なぜか、笑う相続人はいなく、神妙な顔に変わってしまいます。

実は、生前に院長先生が相続人を呼んで、財産の分け方について話し合っておくと、もめる確率はかなり下がるのです。

ということで、そもそも、院長先生の相続人は、誰なのか、そして何が相続財産になるのかを知っておきましょう。

意外と、この2つが簡単な話ではなく、理解されておらず、相続が発生してから、「ええええ、そうだったのか・・・・だったら、先に言っておいて欲しかったな」と発言される先生が、結構いるんです。

だから、そんなことは知っていると思わずに、ササッとでもよいので読んでみてください。

あなたは、誰が、相続人になるのか、
知っていますか?

民法で、相続人は決められています。
第一順位は、院長先生の配偶者である妻、子が相続人となります。
子がいなければ、第二順位として、配偶者である妻と、院長先生の両親となります。
もし、両親が亡くなっていれば、第三順位として、配偶者の妻と、院長先生の兄弟姉妹となるのです。

ここまでは、院長先生も知っていると思うのですが、子とは誰が含まれるのでしょうか?

【1】子、その子が亡くなっていれば孫、その孫が亡くなっていれば曾孫などの直系尊属

【2】元妻との子・・・・あとは同じで、その孫、曾孫などの直系尊属

【3】養子(人数制限はない)

【4】胎児

【5】非摘出子

院長先生が遺言書を作成していれば、この相続人以外にも財産を相続させることができます。
ただ、遺言書を作成していなければ、民法で決められた相続人以外の人が、財産を相続することはできません。

そのため、遺言書がないと、長年ずっと内縁の妻であったとしても、配偶者ではないため、相続人にはなれません。つまり、どれほど院長先生に尽くしてくれていても、財産は1円ももらう権利がないのです。

一方、院長が、高齢者になってから再婚して、たったの1年ぐらいの関係であっても、その妻には相続財産の半分(これを法定相続分という)をもらう権利が発生してしまいます。
また非摘出子とは、結婚していない相手との間の子のことで、認知していれば、相続人となります。
非摘出子がいるという院長先生は少ないのですが、元妻との間に子がいるケースはかなり多く、その場合に遺言書がないと、争ってしまいます。

それぞれの相続人とケース別に、民法では法定相続分が決まっていますが、その通りに分ける必要はありません。
ただ裁判で争うと、財産の分け方は、法定相続分で落ち着くことがほとんどです。
裁判官も、それぞれの相続人に肩入れすることができないため、公平性の観点から、民法で決められた割合になるのは、当然のことです。

誰が、相続人になり、何が相続財産になるか、知っていますか?

問題は、民法が法定相続分とは、取り分を割合でしか決めてくれていないことです。

民法ですべてを決めてくれないので、結果的に、誰がどの財産をもらうのか、親族間で決めるという手続きが発生するのです。
このとき、相続財産がすべて現金であれば簡単です。

ところが、医院経営や病院経営をしていれば、院長先生の自宅だけではなく、医院や病院の不動産、医療機器、医療法人の持分など、上手に分割できない財産がほとんどを占めてしまいます。
だから、例えば、医院や病院を継ぐ子供が、「私は、自宅と医院や病院をすべて相続したい」と主張すると、「それはもらい過ぎではないか?」などという発言が他の相続人から出てきて、喧嘩になったりするのです。

生前に、院長が遺言書を作成しておけば、その通りに相続させることができるので、もめることはありません。最低でも、話し合いをしておいてもらえればよいのですが、それなければ、お葬式が終わってから、初めて相続人全員で話し合うことになります。
財産の分け方に全員が合意して、遺産分割協議遺書を作成できてから初めて、相続財産を使うことができるようになるのです。

もし相続人の1人でも合意しなければ、遺産分割協議書は作成できず、相続財産を使うことは、原則、誰もできません。
個人医院であれば、院長先生の通帳口座がずっと使えなくなり、医院経営や病院経営にも支障が起きてしまいます。銀行も、勝手に1人の相続人にお金を下させて使わせてしまえば、自分たちも争いに巻き込まれてしまうので、正式な遺産分割協議書がないと、対応してくれません。

そのため、親族間で争いそうな予感があれば、生前に個人医院を子供に継がせておくべきでしょう。

もし遺産分割の話し合いがつかないと、裁判所に調停を申し込むことになります。
それでも、決着がつかないとすれば、正式な裁判となり、裁判官の判決により、遺産分割が完了することになります。
ただ、そこまでには、何年間もかかってしまいます。

そのため、もう一度言いますが、争いそうな相続人が1人でもいると予想するならば、院長先生が遺言書を作成しておく、最低でも、生前に院長先生が、相続人全員を集めて、財産の分け方を話し合っておいてください。

次に、何が相続財産になるのかを説明しますが、これはかなり難しく、ほとんどの方が知らないことも多いため、次回の説明に回すことにします。

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