あなたが医院や病院の院長ならば、相続税が増税されることを知ってますよね?

住所
医療関連のコンサルティング
医院経営/病院経営コンサルティング > 医院・病院の相続税対策と事業承継対策は早い方がよい > あなたが医院や病院の院長ならば、相続税が増税されることを知ってますよね?
2012/06/05
あなたが医院や病院の院長ならば、相続税が増税されることを知ってますよね?

相続税の対策と聞くと、「俺が死んだら、勝手に親族がやるだろ」という院長先生もいます。

「うちの医院や病院は、そんなに儲かっていないので、相続税なんてそれほど高くならない」と考えている院長先生もいるでしょう。

ただ今後は、相続税の改正が予定されています。

すでに法律は決まっていて、あとは国会を通過するだけですが、消費税を10%に上げる法案とのセットになっているため、少し遅れているようです。

ただ、今までも相続税は改正されてきました。その大きな論点は3つです。

【1】 基礎控除を下げる

相続税には、基礎控除というものがあります。

例えば、医院や病院の院長の相続人が、妻と子供2人の合計3人とすれば、8000万円が基礎控除金額となります。

銀行の預金、自宅、有価証券など、すべての相続財産の合計が8000万円以下であれば、相続税はかかりません。この場合、相続税の申告も必要ありません。

もちろん、この基礎控除だけが原因ではありませんが、現在の相続税を支払う人は、4%から5%程度になっています。100人の相続人がいたら、5人弱ということです。

ところが、この基礎控除を下げる次の法案が提出されています。

先ほどの例で相続人が3人だとすれば、4800万円が基礎控除となります。

大分、金額が下がっています。

これによって、相続税を支払う人は2倍の8%から10%程度になると試算されています。

あなたが、医院や病院の院長であれば、1億円を超える財産はあるでしょう。

個人医院であれば、その医院専用の通帳に貯まっているお金も相続財産です。医療法人であれば、出資持分も相続財産になります。

あなたは、なんだ、基礎控除が下がっても、もともと相続税を支払うはずだったのかと言うかもしれません。そのとき、この改正は自分には関係ないと考えてはいけません。

相続税とは累進課税なのです。
つまり、相続財産に比例して、税率が上がるわけではありません。

 

1億円の相続財産に対して、実質税率が20%であれば、2000万円の相続税になります。

それで、2億円の相続財産であれば、4000万円の相続税になるのでしょうか?

答えは、違います。

累進課税で、2億円の相続財産に対しては、実質税率が40%となり、8000万円の相続税になるのです。

この相続財産とは、あなたの財産を合算した金額から基礎控除を差し引いた金額を指すのです。

そのため、基礎控除が下がるということは、相続税を支払う人が増えるだけではなく、すでに支払うことが決まっている相続人にとっては、増税になるのです。

 

【2】 小規模宅地の特例を厳しくする

医院や病院の院長であれば、普通のサラリーマンよりも収入は高く、ほとんどの方が持家でしょう。もちろん、マンションの方もいますし、一戸建ての方もいますし、医院や病院と自宅が併設していることもあるでしょう。

どちらにせよ、その自宅を医院や病院の院長の親族が相続する場合には、240㎡までは80%まで評価を下げるというのが、「小規模宅地の特例」なのです。

医院や病院の院長の妻が、院長が亡くなったら相続税が高すぎて、ずっと暮らしてきた自宅を売却して引っ越さなければいけないとすれば、かわいそうでしょう。

そのため、自宅の土地は特別に、大幅に評価を下げてくれる特例があるのです。

例えば、自宅の土地が1億円として、すべてにこの特例が使えるならば、2000万円の評価になります。

これは、かなり大きな減額です。【1】で説明した基礎控除を超えるかどうか、超えるにしても、その金額はこの自宅の土地の評価が大きく関わってきます。

というのも、相続財産に占める不動産の割合は、どうしても大きくなるからです。

実は、今までは自宅を親族が相続するだけで、ほとんど小規模宅地が使えました。

ところが、この特例が改正されて、すでに施行されているのですが、一緒に住んでいた相続人で、これからも住み続ける場合のみ、自宅の土地に特例が使えるように限定されたのです。

この「小規模宅地の特例」の適用要件は厳しくなっていく傾向があります。

これからは、小規模宅地の特例が使えずに、親の自宅を売却していく事例が増えるはずです。

なお、医院や病院の土地が院長個人のものである場合、子供がその医院や病院を継ぐのであれば、同じように小規模宅地の特例が使えます。

【3】 相続税の税率を上げる

相続税の税率は、最高で70%でした。高いですよね。

それが、改正されて、現在は50%に下がっています。

ところが、あなたも知ってのとおり、日本は税収が足りません。

法人税は、企業が海外に逃げてしまうため、高くできません。

所得税は少しずつ高くしていますが、実際には、社会保険料がかなり上がっているため、そこまで高くすることはできません。

そこで、注目されているのが相続税なのです。

法律の案としては、最高税率を55%にするというものです。

あなたは、「いくらなんでも、最高税率にはならない」と思っているかもしれませんが、全体的に、改正される予定です。

つまり、最高税率ではない人の税率も少しずつ上がることになります。

この3つ以外にも、生命保険の控除の縮小など、相続税を増税する法案が目白押しです。

あなたが医院や病院の院長であれば、相続税の対策をしておかないと、税金が高すぎて、子供が自宅や医院や病院を売却しなければいけないハメになってしまいます。

そこで、ここでは、あなたが簡単にできる相続税の対策を1つお教えします。

それは、養子縁組です。

養子が1人増えると、基礎控除が増えます。

また、相続人が増えることで、振り分けられる相続財産の金額が下がるので、それに掛け合わせる税率が下がります。そのため、節税効果は大きいのです。

しかも養子に入る手続きは、すごく簡単です。

市役所に行き、証人を立てて、届出書を提出するだけです。(婚姻届と同じですよね)

ただ、それでも4つの注意点があります。

第一に、養子を無限に増やすことができると、基礎控除がいくらでも増えて、誰でも相続税をゼロにすることができます。

そのため、相続税法では、実子(実の子供)がいる場合には養子は1人まで、実子がいない場合には養子は2人までと定めています。

ただ、あくまで相続税の話だということは覚えておいてください。

つまり、民法上の相続では養子の数には制限がありません。

 

第二に、相続人が増えることは、あとで、親族間の争いの種が増えることにもなります。

上記で、民法上では養子の数に制限がないと言いました。

養子も、実子と同じように法定相続人になり、同じ取り分が認められています。

例えば、相続人が兄弟2人で、兄の嫁と嫁の両親を相続人に入れて、5人にしたとします。

とすれば、弟は、兄とだけの2人の相続人のときには、法定相続分は2分の1ですが、3人の養子が入ったことで、弟の法定相続分は5分の1に下がってしまいます。

もちろん、遺産分割は、法定相続分に従う必要はありません。お互いに、納得すればよいのですが、裁判などになれば、法定相続分がひとつの基準になることは否定できません。

また妻が養子になったあとに仲が悪くなり、離婚問題に発展して、妻を巻き込んだ相続の争いをしている場合もあります。

養子に入れる人物を誰にするのか、よく考えてください。

第三に、相続税が加算されるという問題があります。

これは孫を養子に入れると、子供を飛ばして1回の相続税の支払いで、財産を孫に相続させることができてしまいます。

それを防ぐため、孫の相続税が20%アップするのです。

ここでは計算まではしませんが、だいたいの場合で、子供に相続させて、そのあと孫に相続させる方が相続税は安くなります。つまり、孫を養子に入れない方が得なのです。

あなたは、2回も相続税を支払うよりも、20%アップの方が得じゃないのかと思うかもしれません。でも先ほど説明をした基礎控除があるのです。

子供に相続させるときに1回、さらに孫に相続させるときにもう1回、基礎控除が使えるのです。

最後に、相続税の対策のためだけに養子に入れると、税務署から否認されることがあります。

妻が義父の介護をしていて、どうしても財産を残してあげたいという意向を汲んだなど、養子に入る合理的な理由が必要です。

以上の4つをクリアできるのであれば、養子という方法を考えてみてはどうでしょう。

facebook
twitter
google+