医院の土地の相続税の評価を、80%も下げる方法

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医療関連のコンサルティング
2014/06/10
医院の土地の相続税の評価を、80%も下げる方法

平成27年から、小規模宅地の特例が変わります。
そもそも、小規模宅地の特例とは、何のことでしょう?

例えば、院長と自宅で同居していた子供が、自宅を相続したとします。その自宅の評価が高くて相続税が支払えず、出ていくことになったら、かわいそうです。
そこで、税法では、同居していた子供が、そのまま自宅に住むならば、その土地の評価を80%も減額してくれることになっています。

ただあまりに広い自宅に住んでいる人まで、保護する必要はありません。
そのため、今までは自宅の土地のうち240㎡までだったのですが、来年からは330㎡に拡大されます。例えば、自宅の土地が500㎡あれば、330㎡までは80%減額されて、残りの170㎡は減額されずに評価することになります。

結果的に、相続税が減税されたのです。

また、医院の土地も、子供が事業を引き継ぐのに、評価が高すぎて売却することになったら、地域医療も崩壊です。
そのため、医院の土地も、子供が事業を継続することが条件となりますが、その土地の400㎡まで、その評価を80%減額してくれます。

これらを合わせて、小規模宅地の特例と呼びます。
例えば、1億円の評価の土地であっても、相続税を計算するときには2,000万円に下げてくれるので、税金はかなり安くなります。
しかも、平成27年からは、医院経営や病院経営にとって、すごく有利になることがあります。

それは、今まで自宅の土地で240㎡を使い切ってしまうと、医院経営や病院経営で使っている土地の評価には、この小規模宅地の特例は適用できませんでした。

ところが、平成27年からは、自宅の土地で330㎡の評価を80%減額しても、プラスして医院経営や病院経営で使っている土地も、400㎡まで80%減額してもよいことになるのです。
合計730㎡の土地の評価が、80%も減額できることになります。

自宅の土地が1億円、医院経営や病院経営で使っている土地が2億円とします。
本当であれば、3億円の土地なのに、相続税を計算するときには、6000万円の評価になるのです。

あなたは、医療法人の場合であれば、どうなるのかと考えたかもしれません。
院長が土地を持っていて、医療法人が建物を建てて、医院経営や病院経営を行っていたとしても、同じように、小規模宅地の特例が使えます。

ただ、これほどまでに大きな節税効果があるので、無制限ではなく、条件をクリアしなければいけません。
ここでは、自宅に適用する場合の条件の説明は省き、医院経営や病院経営で使っている土地に焦点を当てて、解説します。

【1】院長個人で建物と土地を保有している場合

院長、または院長と生計を一にしている子供が、生前にその建物で、医院経営や病院経営を行っていることが前提です
そして、その土地を相続した子供が、引き続き医院経営や病院経営を続けると、小規模宅地の特例が使えて、土地の400㎡まで80%の減額ができます。

このとき、「生計一」がポイントで、生前に院長が引退して、別々に生計を立てている子供が医院を運営していると、この特例は使えません。
逆に、「生計が別」でも、院長が引退せずに、子供は医院に雇われて給料をもらい続けているならば、この特例が使えことになります。

もし、院長がすでに引退して子供が継いでいる場合には、その子供が院長に建物の賃貸料を支払えば、貸宅地として、200㎡まで50%を減額できるという小規模宅地の特例が使えるようになります。もちろん、院長は受け取った賃貸料に関して、確定申告が必要です。

ただ、この貸宅地は、自宅の土地との併用はできません。
つまり、自宅の土地で330㎡まで小規模宅地の特例を使ってしまうと、貸宅地の50%の減額はできないということです。

【2】医療法人が、建物を保有している場合

院長、または妻や子供が支配している医療法人であることが前提です。
そして、その土地を相続した子供が、医療法人の理事となり、医院経営や病院経営を続けなければいけません。医院を継いだ子供が、相続が発生したあとに医療法人の理事になるのは当然なので、この条件は難しくないはずです。

こちらは、医療法人が、生前に院長に支払う地代がポイントとなります。

通常、土地を借りて、借地権を設定するときには、権利金を支払います。
ところが、この権利金は土地の所有者にとっての売上となり、所得税がかかります。
そのため、医療法人が院長から借りるときには、権利金は支払いません。
その代わりに、医療法人は、院長に「土地の時価 ×6%」の地代を支払わなくては、権利金が寄附されたとみなされてしまいます。

ただ、1億円の土地であれば、年間600万円もの地代になります。院長は土地を貸しているだけなので、経費がありません。所得税が高いだけではなく、残ったお金は院長の相続財産となり、相続税も上がってしまいます。

そこで、医療法人は「無償返還の届出書」を税務署に提出します。

これによって、医療法人は解散するときに、建物を壊して更地で返す代わりに、地代を「固定資産税×3倍程度」に下げることができるのです。

このとき、固定資産税の1倍程度しか支払わないと、使用貸借とみなされるため、あくまで、院長に利益が残り、確定申告を行うことが前提です。

医療法人が院長に地代を支払うことで、土地の20%部分が借地権として医療法人の財産として計上されて、持分の評価が上がります。これにより、相続税の評価が上がってしまうのです。
それでも、土地の80%部分は底地として、そこに80%の減額ができる小規模宅地の特例を適用することができます。

結果的に、相続税はかなり安くなるはずです。

もし「無償返還の届出書」を提出していない医療法人があれば、今からでも間に合いますので、すぐに提出しましょう。

なお、持分の定めのない医療法人は、院長や院長の親族に支配されていることにはなりません。
そのため、持分の定めのない医療法人が建物を所有している場合には、院長に地代を支払っていても、200㎡まで50%を減額できるという貸宅地の特例しか使えません。

つまり、自宅の土地で、小規模宅地の特例を適用するならば、医院経営や病院経営で使っている土地は一切の減額ができないことになります。

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