医療法人を設立すると、税金がかなり安くなり、資金繰りが良くなります。

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2016/03/10
医療法人を設立すると、税金がかなり安くなり、資金繰りが良くなります。

医療法人を設立すると、税金がかなり安くなり、資金繰りが良くなります。

基本的に、開業と同時に、医療法人を設立することができない地域がほとんどです。あなたの地域が設立できる場合でも、1年目は設備投資などで、医院経営や病院経営が赤字になることが多く、その場合には審査が通りません。そのため、個人事業主として、医院経営や病院経営を行う時代を経て、医療法人を申請するのが、一般的です。

個人事業主として銀行からお金を借りると、院長先生が所得税を支払った残りから、元本を返済していくことになります。所得税は、累進課税となっていて、もっとも安い税率は15%(住民税も含む)ですみますが、最高税率は、55%(住民税も含む)にもなっています。

あなたは、「55%の最高税率は、医院や病院の利益が、かなり高いケースじゃないのか?」と思うかもしれません。確かに、医院や病院の利益が4000万円を超えないと、55%の最高税率には達しません。

しかし、その下の税率である50%は、医院や病院の利益が1800万円を超えるとかかってしまうのです。

累進課税ですので、1800万円を超えた瞬間に、1800万円以下の利益にも、50%の税率が一律かかってしまうわけではなく、段階的にかかるのです。
それでも、1800万円を超えて、4000万円までの利益には、50%も所得税(住民税を含む)が取られてしまいます。

 

医院や病院が医師1人で、4000万円の利益を稼ぐのは、かなり大変です。
一方、1800万円以上の利益であれば、ほとんどの医院や病院が達成できるはずです。それ以外にも医師国保や国民年金も支払っているのですから、半分以上が取られたあと、生活費を支払い、残ったお金で借金を返済することになります。

そのため、確定申告の時期に、院長先生にお会いすると、
「今年も所得税が高くて、3月になると、通帳の残高が心配になる
と愚痴をこぼすのを、よく聞きます。

医院や病院も、12月末に看護師などに賞与を支払うため、その数か月後に、所得税の支払いがすぐに来るため、3月末がもっとも通帳の残高が少なくなる時期と言えます。

そこで、医療法人を設立して、個人事業主としての銀行の借金を移せば、当然ですが、医療法人として返済することになります。院長先生のへの給料を抑えて、医療法人の利益を出せば、そこから法人税を支払ったあとのお金で返済していくことになります。
法人税の税率は、800万円の利益までが20%で、それを超えた部分が30%となっています。

 

つまり、医療法人の最大の税率は30%ですむので、個人事業主の55%と比べて、20%以上も低くなるため、資金繰りは一気に改善します。

 

では具体的に、医院や病院の利益がどのくらいになったら、法人税の方が得になるのでしょうか?

実は、「所得税>法人税」となる目安は、医院や病院の利益が600万円となった時点なのです。

医療法人を設立すると、税金がかなり安くなり、資金繰りが良くなります。

ということは、個人事業主として医院開業して黒字を達成できたなら、すぐにでも医療法人の設立を申請した方が、資金繰りを改善させることができます。銀行も、そのことは理解しているので、個人事業主から医療法人に借入金を移し替えることを承諾してくれます。

また、所得税が高いという理由だけではなく、祖父や父親が個人事業主として、医院や病院を経営してきたが、子供や孫の世代に、上手に承継させたいという希望から、医療法人を申請する方もいます。

 

特に、今から医療法人を設立するならば、「持分のない医療法人」となるため、その持分に相続税がかかりません。

 

子供や孫にお金がなくて、祖父や父親が医療法人のほとんどの持分を出資したとしても、今から医療法人がどれほど儲かったとしても、その持分には相続税がかからないのです。

これは、すごいことです。

例えば、院長先生の預金口座に1億円があり、そのまま、相続が発生すれば、当然ですが、1億円と評価されます。相続税の税率は、最低10%から最高で55%までとなりますが、ここでは平均の30%だったとしましょう。とすれば、妻が相続した1億円の預金から3000万円の相続税を支払ったあと、結果的に、7000万円が残りました。

一方、父親が1億円を医療法人の持分として出資したとします。
医療法人を設立するときに出資してもよいですし、すでに設立されている医療法人に、今から出資しても(増資のこと)構いません。増資したときに、医療法人にも、出資した父親にも、誰にも税金はかかりません。

先ほども解説しましたが、父親の相続が発生して、医療法人は子供が継いで、理事長に就任しましたとしても、この1億円の持分に対する相続税はゼロです。
そして、その数十年後に、医療法人の理事であった、父親の妻(理事長である子供から見ると、母親)が、退職しました。医療法人の理事として、30年間、就任していたとします。
理事ですが、妻は医師ではありません。もちろん、名義上だけではなく、実際に、人事担当として看護師の採用の面接を行ったり、給与計算も担当していました。
そこで、父親が出資していた1億円が残っていたので、それを退職金として、妻に支払うことにしたのです。

退職金に対する所得税は、下記のように計算した退職所得に分離課税方式でかかります。

2分の1を掛けるので、所得が半分になり、最大の実効税率が、55%÷2=27.5%になるということです。

また分離課税ということは、医療法人から妻がもらっていた給料とは別に、所得税を計算します。所得税は、累進課税なので、これも大きなメリットです。

医療法人を設立すると、税金がかなり安くなり、資金繰りが良くなります。

30年働いていた妻の退職所等控除額は、40万円×20年間+70万円×10年間=1500万円となります。

結果、1億円の退職金に対する所得税は、住民税と合わせて、約1850万円となります。つまり、18%の税率で、1億円を受け取れたことになります。相続税を支払わずに、所得税を支払うことで、かなり節税できました。

また、個人で医院経営や病院経営を行っていると、子供や孫に事業承継するときに、看護師との雇用契約、医療機器のリース契約、銀行からの借金など、すべて再契約が必要となります。
それが、医療法人であれば、当然、理事長を子供や孫に変更するだけで、すべての契約は引き継がれます。

 

このように、医療法人を設立するだけで、資金繰りが改善され、手間も簡略化できるのです。

 

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