住宅で併設したクリニックを建てる院長先生は、住宅ローン控除を最大限にとろう。

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2013/05/10
住宅で併設したクリニックを建てる院長先生は、住宅ローン控除を最大限にとろう。

住宅で併設したクリニックを建てる院長先生は、住宅ローン控除を最大限にとろう。来年の4月1日以降に、消費税が5%から8%に上がります。

今から、医院開業しようと考えている院長先生も、古くなった医院や病院を大修繕しよう、もしくは診察室や検査室を増築しようと考えている院長先生も、消費税が上がる前に発注した方が得だと思っているかもしれません。

原則、今年の9月末までに契約した場合には、建物の請負契約に関しては、来年の4月以降に引き渡されたとしても、5%の消費税を支払えばよいことになっています。
例えば、1億円で医院や病院を新しく建てたとすると、(土地の価格は別とします)

1億円×5%=500万円(来年の4月以降に引渡し)

1億円×8%=800万円(今年の9月までに契約)

となり、差額で300万円もの違いが出てきます。
このお金を銀行から借りて行おうと思っているならば、その金利を合わせて、500万円は違ってくるでしょう。

この500万円を節約した方が、医院経営や病院経営の資金繰りは、当然よくなります。
消費税を余分に支払っても、銀行に金利を多く支払っても、医院経営や病院経営が改善するわけではありません。

患者が増えるわけでもなく、よい評判が立つことも、院長先生が安心感を持つわけでもありません。

それならば、9月末までに契約した方がよいと言えるのですが・・・もし、あなたが住宅兼クリニックを建てるならば、ちょっと待って欲しいのです。

実は、来年の4月以降に、住宅ローン控除が拡充されることも同時に決まったのです。

 

住宅ローンの控除率

総合計(10年間)

現在の住宅ローン控除

年末残高 × 1%
年末残高は2000万円まで
(最大3000万円の特例あり)

200万円
(最大で300万円)

来年4月以降の住宅ローン控除

年末残高 × 1%
年末残高は4000万円まで
(最大5000万円の特例あり)

400万円
(最大で500万円)

この住宅ローン減税は、借入金の年末残高の1%を政府が補助してくれる制度です。
現在の住宅ローンは、変動であれば1%を切っています。固定でも1%強ぐらいです。
これからも、急激に金利が上がることは少ないでしょう。

つまり住宅ローンのうち、現在なら2000万円まで、来年は4000万円までの金利を政府が10年間、全額補助すると言っているのと同じです。

今から住宅を買う人は、銀行への借入金の返済の資金繰りに関して、かなり優遇されていることになります。
住宅兼クリニックを建てる院長先生はこの住宅ローン減税を使えば、結果的に、医院経営や病院経営の借入金の返済にあてるお金が増えることで、資金繰りが改善します。

なお、上記の図で「最大の金額」は、長期優良住宅、または低炭素住宅の場合に限られます。
これを見て、9月末までに医院や病院の建物の請負契約を行い、4月以降に引き渡されたならば、消費税は5%で、かつ拡大した住宅ローン控除も使えるのではと考える院長先生もいるかもしれません。

ただ、両方を選択することはできません。
そして、ポイントは4つあります。

【ポイントその1】

住宅兼クリニックで、長期優良住宅や低炭素住宅の要件を満たすのは、難しいと考えられます。あくまで、医院や病院に患者を呼び込むことを、第一の目標として、建物の設計図を作るべきです。

【ポイントその2】

住宅ローン減税は、住宅を増改築するために銀行から借りた場合にも使えます。
そのため、すでに何十年間も住宅兼クリニックを開業している院長先生で、子供に引き継がせるのを機会に、大規模修繕を行う場合なども、同じように検討すべきです。

【ポイントその3】

住宅を建てるという目的で借りた住宅ローンしか対象になりません。そのため、住宅兼クリニックでは住宅部分の借入金しか対象になりません。
現実的には、住宅を建てるために借りた方が金利は低くなります。
そのため、クリニックの建物部分に対しては、院長先生の自己資金をあてるので、銀行からの借入金の比率は低くなると思います。

【ポイントその4】

所得が3000万円以上の院長先生は、住宅ローン控除が使えません。これは給料の額面ではありません。
給料から概算経費、社会保険料や扶養控除などを差し引いた金額です。奥さんと給料を分けている場合も多いので、所得が3000万円以下になっている院長先生も多くいるはずです。

 

長期優良住宅や低炭素住宅でないとしても、今すぐ住宅兼クリニックを建てて住宅ローン控除を使う場合と、来年4月以降の引き渡しで住宅ローン控除を使う場合では、10年間で200万円の差があります。

来年4月以降の引渡しで、住宅ローン控除の金額は増えるので、着工するのはいつでも構いません。

先ほどの9月末までに契約した場合には、消費税は300万円も違ったので、そちらの方が得になる気がします。

ところが、この住宅ローン減税は、
銀行から借りた人ごとに使えるということなのです。

医院経営や病院経営に奥さん(夫の場合もある)が手伝っていた場合には、個人医院であれば専従者給与を、医療法人であれば役員報酬を支払っているはずです。
そのため、収入がある奥さんも住宅ローンを組める資力があると、銀行はみなします。

院長先生の給料から生活費を使い、奥さんの通帳はどんどん貯金が増えているというケースを、私も何度も見てきました。

もし、院長先生と奥さんで、半分ずつの名義で住宅を建てたとすれば、最大で、800万円もの住宅ローン減税を受けることができるのです。

つまり、現在の住宅ローン減税を夫婦で使った場合の400万円と比べて、400万円も得になります。

これならば、消費税の300万円と比べて、100万円も得なので、住宅ローン減税を使うべきという選択肢になります。

ここで、建物だけで8000万円の家は高すぎると思ってはいけません。
消費税は建物だけでしたが、この住宅ローン控除は土地を買うために借りたお金に対しても使えます。

先ほど、1億円で住宅兼クリニックを建てると仮定しました。
この敷地を1億円で買ったとして、住宅が50%、クリニックが50%とします。

合計で2億円になり、これを全額借りるわけではありませんが、住宅部分の1億円は全額借りたとすれば、8000万円の借入金を上回ります。

私は今まで、これから開業して医院経営や病院経営を行う院長先生に対して、住宅兼クリニックを担保にして、銀行が2億円ぐらいを貸し付ける現実を、普通に見てきました。
そのあと、医院経営や病院経営の資金繰りはしっかりと管理はしますが、この医院や病院は今でも2億円の返済が滞ったことはありません。

医院経営や病院経営をしっかり行えば、2億円ぐらいは、問題なく返済できてしまうのです。

結論は、住宅ローン控除を選択するという結論になりそうですが、それぞれ事情が違うはずなので、下記の条件を調べて、事前にシミュレーションを行ってください。

  • 住宅兼クリニックの土地と建てる金額、または増改築する金額は、いくらか
  • 住宅兼クリニックの住宅部分(土地も含めて)の借入金は、いくらか
  • 院長先生と奥さんの借入金の比率と、その住宅ローン控除の合計は、いくらか

最悪なのは、9月末までに契約を行わずに、4月以降に引渡しを受けて、住宅兼クリニックの建物の請負代金に対して8%の消費税を支払い、住宅ローン控除の要件に当てはまらずに、まったく税金のメリットを受けられないことです。

最大で、10年間で800万円の税金を無駄に支払うことになります。
これでは、医院経営や病院経営の資金繰りがよくなることはあり得ません。
これは難しい節税ではないので、必ず、あなたの税金のメリットを最大限に受けれるようにしましょう。

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