中古資産を買うことで、資金繰りを改善する

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医療関連のコンサルティング
2013/08/30
中古資産を買うことで、資金繰りを改善する

中古資産を買うことで、資金繰りを改善する前回、「固定資産の耐用年数 > 銀行への返済期間」になると、税金を支払ったあとの利益から返済する金額が大きくなり、医院経営や病院経営の資金繰りが悪化するという話をしました。
だから、銀行とは返済期間を伸ばしてもらうように交渉しようという話をしました。

ただ、返済期間を伸ばすと、支払う金利の総額は増えてしまうので、結果的に損をすることも確かです。

これも前回、話しましたが、医院や病院は優良な業種ですので、銀行はお金を貸したがっています。そのため、競争しあって、医院や病院への貸付の金利は1%程度まで下がっているのが現状です。

だから、1億円を借りても、1年間の金利は100万円にしかなりません。

しかも、この100万円は経費になるので、40%を節税できているとすれば、実際の医院や病院の負担は60万円と言えます。返済が進んでくれば、元本が減るので、さらに負担は減っていきます。

それでも、損をすることは確かです。

そこで、「固定資産の耐用年数 > 銀行への返済期間」という状況を打開するために、

固定資産の耐用年数を短くする

ということが、医院や病院で可能ならば、まったく損をせずに、支払う税金を減らし、資金繰りを改善させることができます。

あなたは、「固定資産の耐用年数は、税法で決まっていたと聞いた。法律で決まっているんだから、変更は無理だろう」と考えているかもしれません。
実は、テクニックを使うと、耐用年数を短くできるのです。

【1】税法で得になる制度が使えるときに医療機器を買う、又は施設を建てる

【2】M&Aで医院や病院を買収する、もしくは中古の医療機器を買う

医院や病院は、患者の病気を治すという使命があり、そのために高額な医療機器に投資していかなければいけません。

この医療機器を特別償却として、買った年などに普通よりも大きな減価償却を計上させてくれる制度があります。対象となる金額や医療機器の種類は、毎年、改正されるので、確認は必要です。

それでも、院長先生が買いたいと考えた医療機器が特別償却できるのであれば、ぜひ投資すべきです。

減価償却費は、「特別な減価償却費 = 買った金額 × 特別償却率」で計算するのですが、特別償却率は下記のようになっています。

 

対象となる医療機器

特別償却率

1

1台もしくは1基で500万円以上するもので、高度な医療の提供に資する、又は先進的な医療機器

14%

2

医療の安全の確保に資する医療機器

20%

3

新型インフルエンザに対応するための簡易陰圧装置

20%

4

特定増改築施設、又は病院建替えの建物

15%

(※ 特別償却率や区分は、毎年、税制改正されるので、注意してください)

上記のように、建物にも特別償却率をかけて、特別な減価償却費を計上できるのです。
具体的な医療機器の名称は、国税庁のホームページに記載されています。

次に、私は「M&Aで医院や病院を買収する、もしくは中古の医療機器を買う」という方法を提案しました。
そもそも、中古で医療機器を買ったら、耐用年数はどうなるのでしょうか?

中古の医療機器の耐用年数 =
耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 20%

すでに耐用年数を超えていたら、耐用年数×20%と計算します。

これだけではイメージがわかないので、実際に計算してみましょう。
例えば、CTスキャンであれば、耐用年数は6年です。
新品で買えば、CTスキャンは、この耐用年数を使って、定率法で減価償却費を計算します。

一方、4年落ちの中古でCTスキャンを買ったとすれば、

耐用年数 =
6年 - 4年 + 4年 × 20% = 3年(小数点以下切捨て)

というように、中古の医療機器の耐用年数が計算されるのです。
この中古のCTスキャンが2000万円とすれば、

1年目の減価償却費 =
2000万円 × ( 1 ÷ 3 ) × 2倍 = 約1300万円

となるのです。

中古の医療機器としてCTスキャンを買った医院や病院は、その約66%もの減価償却費を計上できるのです。

医療機器は3年もすると、技術進歩でかなり性能が変わりますが、あなたの医院経営や病院経営で、その機能をフルに活用できるのか冷静に考えてください。

あなたのやりたいことが、中古医療機器で十分、達成できるならば、最初に支出も抑えることができ、減価償却費も大きくなり、資金繰りを改善できるのです。

 

CTスキャンという1つの医療機器でも、これほどの効果があるのですが、医院や病院をM&Aで買った場合には、建物や建物付属設備も、中古として耐用年数を計算することができます。

例えば、3000万円で木造の中古物件を買って医院開業するとします。
医院や病院の建物が木造であれば、耐用年数は17年となっています。

ただ、買ったときには、ちょうど築年数は20年を経過していました。
とすれば、毎年の減価償却費は定額法で計算して、

耐用年数 = 17年 × 20% = 3年

毎年の減価償却費 =
3000万円 × ( 1 ÷ 3 ) = 1000万円

となります。

これほどまでに大きな減価償却費が計上できるならば、医院経営や病院経営の資金繰りは絶対によくなります。

あなたの理想とする医院経営や病院経営があることも理解できます。
ただ、まずは医院経営や病院経営を安定させて、それから分院を出すなどの戦略を実行したり、建物を建て替えてもよいのではないでしょうか。

最初の初期投資抑えるだけではなく、そのあとの資金繰りに余裕を持たせるためにも、「M&Aで医院や病院を買収する」というのは、私がお勧めする、ひとつの方法です。

なお、あくまで個人医院の事業をM&Aで買う場合、医療法人の持分ではなく、事業を買う場合にしか、この中古の耐用年数の効果はありません。

医療法人の理事が交代した場合、医療法人の持分を取得した場合には、建物や医療機器の耐用年数は中古にはならず、そのまま減価償却を続けるだけです。

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