電子カルテを導入しても、医院が効率化できない理由を知っていますか?

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2015/02/28
電子カルテを導入しても、医院が効率化できない理由を知っていますか?

電子カルテを導入しても、医院が効率化できない理由を知っていますか?ひと昔前は、医院経営や病院経営では、紙と手書きが主流でした。
院長が、カルテを手書きして、それをもとに、診療報酬を計算して、伝票も手書きで作って、患者に請求するということが行われてきたのです。

それから、レセプトコンピューター(レセコン)の価格が下がったこと、毎年、改訂される診療報酬も複雑になりました。
そこで、ほとんどの医院や病院で、レセコンを導入しています。

その後、処理速度が上がったサーバの価格も安くなり、クラウドのサービスも増えたことで、電子カルテのシステムを導入する医院や病院の数は、爆発的に増えています。

 

ただ、このようなコンピュータシステムを導入したことで、医院経営や病院経営は、本当に効率化され、経費も削減できているのでしょうか?

医院経営や病院経営では、医療機器への設備投資と、看護師や社員の人件費、賃料が経費の大部分を占めます。
このうち、人件費が削減できれば、かなり利益に貢献できます。

では具体的に、ひと昔前の看護師や社員の数と、電子カルテなどのコンピュータシステムを導入したあとを比べて、医院や病院で働く人数を、各段に減らすことができているのでしょうか?

 

病棟がない医院経営や病院経営では、院長1人とアルバイトで手伝ってもらう医師が2人、看護師4人、社員が3人と、合計で10名程度です。
院長が1人であれば、これよりも少ない人数で医院経営や病院経営は運営されているはずです。

ここに、コンピュータシステムを導入しても、働く人数を減らすことができません。
なぜでしょうか?

 

院長は、
「医院経営や病院経営では、受付の社員、診察室の看護師など、患者に対応する最低限の人数が必要だからだよ」
と主張するかもしれません。

最近では、大学病院で受付や精算もコンピュータシステムを導入していていますが、他の医院や病院は、そこまでやっていません。
初期投資の金額は、そのあとの人件費を考えれば、回収できるはずです。

ただ、コンピュータシステムが正常に作動しているかどうかをチェックする人が必要となります。
大学病院であれば、そもそも、受付と精算だけで、何十人も必要だったところ、チェックする人が数人に減るので、かなりの経費削減になります。

ただ、それ以外の医院や病院では、コンピュータシステムが止まってしまった場合、それを修理するまで、受付も精算できないとすれば、大損です。

そのため、受付が1人の社員(アルバイトも入れて2人など)であれば、コンピュータシステムを導入してまで、経費削減しようとは考えないのです。

 

そこで、看護師や社員の人数は同じで経費は削減できないとしても、診察できる患者の数を増やすことができれば、結果的に、利益に貢献していることになります。

朝から並んでいる患者が診察券を入れていくのですが、その数が多過ぎて、午前中には処理できず、午後に回せば、「あそこの医院は、混み過ぎだ」と敬遠する患者が出てきます。
しかも、受付の社員は、午前中、午後とそれぞれで、診ることができる人数を凡そ、把握しています。
そのため、それ以上の患者が来ると、断わっているはずです。

もっと、早く回転させることができれば、午前中に診察券を入れた患者を午後に回すこともなく、診れる患者の数自体も増えるはずです。

そこで、患者の行動のプロセスから、どうすれば医院の処理を効率よく早くできるのか、考えてみましょう。

 

受付 → 診察 → 検査 → 処置 → 精算 → 薬局

内科であれば、検査がないこともありますが、それはこの流れが短縮されるだけです。
ほとんど、同じ流れで、患者は診察を受けていきます。
このとき、「診察」の行動が遅くなると、どうなるでしょうか?

その前のプロセスの「受付」を終わった患者が、待つことになります。
そこで、流れが止まり、それ以上の患者の人数を診ることができません。
他のプロセスの場所でも同じです。

「検査」「処置」が遅くなれば、診察までは流れが止まっていなくても、そのあとの待ち時間がどんどん遅れしまい、午前中で終わらないと考えた受付の社員が、患者をストップしてしまいます。

 

このように考えると、医院経営や病院経営では、患者の行動のプロセスの中で、最も処理速度が遅い部分の人数までしか診ることができないことが分かります。

そのため、コンピュータシステムを導入することで、受付と診察、それに精算はレセコンと電子カルテを連動させて、今まで15分かかっていたところ、10分に短縮できたとします。
普通に考えれば、3分の2のスピードに上がったので、1.5倍の患者を診ることができるはずです。

ただ、「検査」と「処置」のスピードがまったく変わらなければ、患者がそこで、滞留するため、診れる患者の数は、まったく変わらないのです。

 

ということは、コンピュータシステムを導入する前に、医院や病院のプロセスを見直し、患者を待たしている部分がないかを、確認することが大切です。

もし患者の流れを止めている部分が、コンピュータシステムで、早くなるのであれば、今すぐ、導入すべきです。
一方、コンピュータシステムを導入できない部分が問題であれば、そのプロセスを改善することから始めるべきです。

 

ここまでは、実は、一般の診療報酬で請求する医院や病院を前提にしていました。
もし、あなたの医院や病院が、急性期病床を抱えていて、DPC を導入しているならば、すぐにコンピュータシステムを導入すれば、利益に貢献するはずです。

というのも、医院や病院は、DPCを導入した方がよいのかの判断だけではなく、実際に導入してから、次の取り組みを継続して、行っていく必要があるからです。

  • 【1】各病症例に対するコーティングを点検して、その技術を向上させる
  • 【2】ベンチマーキングによって、診療プロセスを評価して、改善する
  • 【3】DPCの評価が下がらないように、在院日数とベッド回転率を確認する
  • 【4】パス導入によって、合理化するだけではなく、周辺の医院との連携の回数を計算する
  • 【5】医院と病院の安全性とアウトカムを数字で表し、報告する

これらのことを手書きのレセプトから集計し、在院日数やベット回転率も、それぞれの病棟で、エクセルなどで管理していたら、DPCの評価を適正に判断し、改善することができません。

それでは、DPCの包括評価を導入したにも関わらず、請求する診療報酬が下がってしまい、医院経営や病院経営のキャッシュフローを悪化させることになります。
だからと言って、DPCを導入、または準備している医院や病院が、プロセスを見直す必要がないと言っているわけではありません。

ただ、自分の医院経営や病院経営のデータの分析を行うだけでもメリットがあるので、コンピュータシステムを導入しましょうと提案しているのです。

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