医院や病院が支払う固定資産税を下げる方法があるって、知っていましたか(土地編)?

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2015/05/10
医院や病院が支払う固定資産税を下げる方法があるって、知っていましたか(土地編)?

医院や病院が支払う固定資産税を下げる方法があるって、知っていましたか(土地編)?固定資産税とは、1月1日の不動産を所有していた人にかかる税金(地方税)です。
そのため、医院や病院で、土地や建物を所有して使っていると、毎年、5月ぐらいに、市町村から、固定資産税の明細書と納付書が送られてきます。

院長個人が所有していても、医療法人が所有していても、MS法人が所有していても、所有者によって、固定資産税が高くなったり、安くなったりすることは、原則、ありません。
例外として、社会福祉法人が医院経営や病院経営を行い、「地域の医療福祉に特に貢献」するものと認められ、固定資産税の非課税の条件を満たせば、減免されます。

「地域の医療福祉に特に貢献」という意味は、下記となります。

  • 【1】 開放型病院の認可を受け、実施していること。
  • 【2】 地域医療支援病院の認可を受け、実施していること。
  • 【3】 高度な専門外来及び臓器提供病院としての対応可能な環境が整っていること。
  • 【4】 24 時間体制の救急センターを設置していること。
  • 【5】 未熟児専用救急車による救急体制が整っていること。
  • 【6】 職域集団検診、人間ドック等による疾病の早期発見・予防に貢献していること。

ほとんど、該当する医院や病院は、ありませんよね。
だから、医院や病院で、誰かが土地と建物を所有していれば、固定資産税はかかると考えるべきです。
所得税、法人税、消費税は、国税と地方税がどちらもあり、基本的に、地方税は、国税に合わせて統一されています。

一方、固定資産税は地方税だけなので、地方ごとにルールが少し違っています。
ちなみに、平成27年度の東京都の場合には、固定資産税の支払い期限は、下記のようになっています。

  • 第1期 平成27年6月1日から6月30日まで (納期限 6月30日)
  • 第2期 平成27年9月1日から9月30日まで (納期限 9月30日) 
  • 第3期 平成27年12月1日から12月28日まで (納期限 12月28日)
  • 第4期 平成28年2月1日から2月29日まで (納期限 2月29日)

支払い時期は、どの地域もほぼ同じで、変わりません。
そして、毎年、医院や病院が申告しなくても、勝手に固定資産税の明細書と納付書が送られてくるので、院長はその金額すら知らず、支払っていることもあります。

あなたも「市町村が自動的に、固定資産税を計算しているから、支払うしかないんですよね?」と諦めているかもしれません。

すでに決まった固定資産税を支払わないことはできませんが、工夫することで、今よりも、安くすることはできるのです。

特に、固定資産税は、地方税だけなので、市町村の担当者と個別に交渉して、相手が納得できる資料を揃えれば、安くなるのです。
一度、安くなれば、そのあとずっと続くので、医院経営や病院経営の経費を削減し続けることにつながります

固定資産税は、別に医院や病院の利益に比例してかかるものではないため、どれだけ多く支払っても、医院経営や病院経営に貢献することはありません。
そして、安くしたとしても、別に建物や土地に損害が起こることもないのです。

だからこそ、あなたの医院や病院が支払っている固定資産税が安くならないか、ぜひ、確認して欲しいのです。

 

まず、固定資産税が、どのような数式で計算されているか、理解しておきましょう。

固定資産税 = 固定資産税評価額 × 税率

ここで、税率は、下記のようになっています。

項目

内容

固定資産税

固定資産税評価額 × 1.4%

都市計画税

固定資産税評価額 × 0.3%

マンションの場合には、全体の土地と建物を一体で評価して、それぞれの持分割合に按分して、固定資産税評価額が計算される

医院や病院の不動産が都市計画区域内にあると、固定資産税だけではなく、上記の都市計画税も同時にかかります。
都市計画区域外というのは田畑や山林が多い場所になりますが、そこに医院や病院を建てている場合を除いて、都市計画税がかかると考えてください。

医院や病院の場合、都市計画区域外であっても建てることができるので、その場合には、固定資産税しかかかりません。
それでも、都市計画税の税率は安いので、それほど、変わらないと言ってもよいでしょう。

固定資産税も、都市計画税も、税率を地方によって、変更することができます。
ただ、医院や病院が市町村の窓口で文句を言っても、基本的には、変わりません。
そのため、医院や病院が、固定資産税を安くしようと考えたら、固定資産税評価額が下がる方法を探すべきなのです。

では、この固定資産税評価額は、どのように決まっているのでしょうか?

 

毎年、国土交通省は、1月1日時点の土地の公示価格を発表します。
これは、取引事例から計算されているため、一般的には、土地の時価と考えられています。
国税庁は、毎年、7月1日に、路線価を発表していて、「公示価格 × 80%」で評価しています。

そして、市町村では、固定資産税評価額を、「公示価格 × 70%」で評価しています。

例えば、公示価格が100坪で1億円の土地であれば、固定資産税評価額は7000万円となり、固定資産税と都市計画税がかかるので、

7000万円 × (1.4% + 0.3%) =119万円

と計算されます。

100坪で1億円とすれば、1坪100万円なので、それほど高いわけではありません。
そこで、100坪の土地を所有しているだけで、119万円も毎年、支払うことになります。

「えええ、そんなに、支払うことになるのか」と思いましたか?
ところが、自宅などの住宅用の土地であれば、評価額が下がる特例があるのです。

特例の区分

固定資産税

都市計画税

小規模住宅用地(※)

住宅の敷地で住宅1戸につき
200㎡まで

評価額×1/6

評価額×1/3

都市計画税

住宅の敷地で住宅1戸につき200㎡を超え、建物の床面積の10倍まで

評価額×1/3

評価額×2/3

(※)小規模住宅用地の特例は、別荘には適用されない

ということは、100坪の土地が、院長先生の自宅であれば、

【1】 7000万円 × 60坪(約200㎡)÷100坪 × 1/6(特例)× 1.7% = 約12万円
【2】 7000万円 × 40坪(約130㎡)÷100坪 × 1/3(特例)× 1.7% = 約16万円
合計 【1】 + 【2】 = 28万円

と計算されます。

つまり、住宅用地であれば、年間119万円だった固定資産税が、28万円と、91万円も下がることになります。もし20年間、住んでいると、約1800万円も違ってくるのです。

これ、人が住む建物が建つ住宅用地であれば、実際には、誰も住んでいなくても、特例が使えることになっています。
だから、空き家になっても、みんなそのまま、家を取り壊さずに、放っておくのです。

それも、法律が改正されて、倒壊するような危険がある空家は、この特例から除外されて、高い固定資産税がかかることになりました。
もし支払わなければ、市町村が抵当を付けて、競売してしまうことでしょう。

では、医院や病院は、この特例が使えるのでしょうか?
医院や病院が使っている土地は、事業用地となり、住宅用地ではないので、この特例は適用されず、高い固定資産税を支払うことになります。

ただ、自宅の隣りで、医院開業していることがあるでしょう。
このときには、自宅の土地の部分には、当然ですが、上記の特例が使えるのです。

もし、今までその土地を何も工夫せずに、固定資産税を支払っていたのであれば、これから安くできる可能性があります。

 

(1)自宅の隣で、医院開業していたら

例えば、次のような配置で、医院経営や病院経営を行っていたとします。

医院や病院が支払う固定資産税を下げる方法があるって、知っていましたか(土地編)?

市町村の担当者が、自宅と医院の境界線が分からないと、医院の土地の面積を大きく算定していることがあります。
また、自宅の駐車場と医院の駐車場を同じ場所で使っていると、すべて医院の駐車場とみさなれてしまうでしょう。

このときには、自宅と医院の境目がハッキリ分かるように、分筆の登記をして、簡易的なフェンスを立てます。

分筆とは、土地を2つに分けることですが、それほど大きなコストがかかるわけではありません。

これにより、医院が使っているとみなされる土地が小さくなれば、それだけ、住宅用地の特例が使える面積が広くなるのです。

さらに、この配置では、医院と自宅の土地が、2つの道路の角地になっています。
このような土地は、1つの道路にだけ面している土地よりも使いやすいので、評価が高くなっています。

ところが、半分で切ることで、医院の土地は2つの道路に面していますが、自宅の土地は1つの道路だけに面することになり、評価が低くなるのです。

これで、この土地の固定資産税を安くすることができます。
次に、「私の自宅は1つの路線価だけに面していて細長く、真ん中で切ることが難しい」という場合もあるでしょう。

それでも、工夫することができるのですが、この続きは、次のブログで解説していきます。

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