医院や病院は、何人の看護師と社員を雇うのが、平均になるのか?

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2014/12/20
医院や病院は、何人の看護師と社員を雇うのが、平均になるのか?

医院や病院は、何人の看護師と社員を雇うのが、平均になるのか? 医院経営や病院経営で、医師が1人で運営するのは、絶対に無理です。
心療内科であっても、最低でも1人の受付の社員が必要となります。

このとき、看護師や受付の社員は、誰でもよいわけではありません。
看護師や社員の患者への態度が、医院や病院の印象につながるからです。
診療科目によっては、院長先生よりも、患者に接する時間が長いこともあります。
つまり、看護師や受付の社員は、営業マンとしての役割を担っていると言えるでしょう。
そのため、人件費を抑えて雇えばよいわけではないのです。

それでも、医院や病院の経費の中で、人件費が占める割合は、かなり大きいものとなるため、慎重に雇う人数を決める必要があります。

まず、医院経営や病院経営で、適正な社員の数というものが、あるのでしょうか?
実は、下記が統計データから集計した、診療科目別の社員数となります。

単位:千円 人

診療科目

内科

整形外科

耳鼻咽喉科

眼科

皮膚科

小児科

医業収益(平均)

10,462

22,593

5,564

12,346

8,606

13,238

保険診療収入

9,663

17,911

5,624

12,217

8,479

10,974

自費診療収入

799

4,682

29

129

126

2,264

延患者数

1,458

4,462

1,307

1,868

1,980

2,118

スタッフ数

6.23

13.61

5.56

7.45

4.95

11.23

常勤人数

4.96

11.17

4.60

6.50

3.20

8.80

パート人数(換算)

1.26

2.44

0.96

0.95

3.20

8.80

パート人数(実数)

3.98

7.00

2.40

3.50

4.60

6.60

正看護師(常勤)

0.88

0.67

0.40

0.17

0.20

1.60

准看護師(常勤)

0.85

1.50

1.60

0.33

0.40

1.20

と、この表だけ見て、自分の医院や病院の社員数は多い、少ないと判断してはいけません。
どのような過程を経て、上記のような人数になるのか、一緒に考えていきましょう。

1.医院開業のとき

あなたが、医院開業するときには、その1ヶ月前までに、看護師と受付の社員を採用します。
このとき、開業したあとの医業収益を予測して、採用人数を決定したはずです。
また、内科で、看護師を雇わない医院もありますし、検査がある医院では、絶対に看護師を雇わなければいけない医院もあります。

ただここでは平均として、開業のときに、看護師1人、社員2人、アルバイトの社員1人というのが目安とします。

だいたい、最初の1年目の医業収益は、どの医院も4,000万円ぐらいが平均となります。
そのため、給料を1,000万円ぐらいに抑える必要があり、この人員体制となります。
一度、採用してから利益が出ないので、解雇しようとしても、法律上は難しいですし、医院内の雰囲気も悪くなってしまうので、多めに採用しようという院長先生はいないはずです。

これが、医院や病院での最低人数とも言えるでしょう。

2.開業してから、2年目から5年目まで

初年度は、院長先生を抜かして、全員で3人にプラスアルバイト1人でした。
これが、2年目から5年目となると、医院や病院の医業収益も上がってくるため、人数を増やしていきます。

院長先生1人で運営するならば、内科で1億円の医業収益を目指すべきですが、平均は6000万円程度だと予測されます。
このとき、給料の合計として、最大で1500万円までは支払えるので、看護師1人を増やして、アルバイトを正社員にすると、社員は5人となります。

3.2人以上の医師が常勤したら

開業場所にもよりますが、6年目以降にもなれば、院長先生も医院経営や病院経営に慣れてきて、主治医として同じ患者が何度も来院してくれるようになります。
口コミの効果も出てきて、かつ院長先生も医療広告のコツも分かり、患者が右肩上がりで増えていきます。

ここで、医院の診察室を増やして、常勤の医師を雇えれば、一気に医業収益を2倍にできます。
とすると、先ほどの表で、医業収益が月額1000万円、年間1億2000万円を達成し、看護師や社員が6名、アルバイトが1名という医院の体制となります。

ここに、2名の医師を加えると、全員で9名の組織ができあがることになります。
平均で、看護師と社員の給料の合計が3000万円、勤務医師の給料が1200万円ぐらいになるでしょう。

ただ、6年目以降に関しては、物理的に診察室が増やせないこともあります。
最初の医院開業するときに、賃料を抑えるため、最小限の面積の40坪前後ぐらいで始める院長先生が多いからです。

将来、検査室として使うことを予想して、50坪以上で借りていたり、看護師の着替えの部屋が1つ余分にあれば、内装を変えることで、診察室に変更できます。
また、常勤で働いてもらえる医師に関しても、すぐに探すことができるかは、開業場所と運しだいになります。

その場合には、まず2人ぐらいのアルバイトの医師に来てもらうことから、始まります。
物理的に診察室を増やせない場合でも、医師が不足する場合でも、平均の医業収益を6年目に達成することはできません。

診察室に関しては、医院の建物を増築するか、開業場所を移して広げるか、分院を出すという方法であれば、初期投資が必要となるため、お金を貯める必要があります。
(同じビルのフロアの隣が、たまたま、空くということもありますが、一般的には少ないと思います)

常勤の医師に関しては、人材紹介会社などに依頼して、根気強く探し続けるしかありません。
診察室を広げて、常勤の医師が院長先生も含めて2人になれば、1億20000万円の医業収益を達成することができます。

 

ここまで、医院開業の1年目から見てきましたが、すべての場合で、看護師や社員の給料の合計は医業収益の約4分の1程度になっていることに気づきましたか?
これ以外に、看護師や社員には交通費や手当てを支給しますし、社会保険に加入すれば、医院が半分を負担します。さらに、採用したときに紹介手数料を支払ったり、求人広告を出すはずです。

これらをすべて合算すると、人件費としては、給料全体をさらに1.2倍にした金額が平均になると考えておくべきです。
これは、内科だけではなく、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科などの診療科目でも同じです。

例えば、医院の医業収益が1億円とします。

1億円(医業収益)×1/4×1.2倍=3000万円

これが人件費の平均と考えて、社員を雇っていくことになります。
もちろん、心療内科や人間ドックの検査などが多い医院では、当てはまらないので、その場合には、コンサルタントに個別に適正な人件費を計算してもらってください。

なお最後に、もう一度確認して欲しいのは、

医院経営や病院経営において、看護師や社員は、患者に対する営業マンだと考えるべき

です。

そのため、平均だけに拘らず、少しぐらい人件費が高くなっても、それは先行投資だと考えるべきでしょう。
また、医院の医業収益が予想以上に上がり、利益が出たときには、特別に賞与を出す(決算賞与)こともやるべきです。
給料をケチっていたら、よい営業マンを雇い続けることはできないのです。

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