あなたの医院の建物の固定資産税を、下げる方法がある

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2015/05/30
あなたの医院の建物の固定資産税を、下げる方法がある

あなたの医院の建物の固定資産税を、下げる方法がある土地は、国土交通省が発表する公示価格の約70%を目安に、固定資産税評価額を市町村が決定していました。

一方、建物は、構造が木造、軽量鉄骨、重量鉄骨、RC、SRCと違うだけではなく、平屋から何十階建てのビル、さらには、地下駐車場があったりと、千差万別です。

そのため、建物が建った段階で、市町村の担当者が図面を持ち、実際に内見に来て、建物の外装と内装を確認してから、固定資産税評価額を決定します。
このとき、建築の面積、構造から、再建築したときのコストを計算し、それを固定資産税評価額とします。

通常、院長が医院や病院を建てようとしたら、設計士に依頼して、そのあと建築会社に建ててもらうはずです。
このとき、どちらもコストに利益を上乗せするのですが、市町村が建物の固定資産税評価額を計算するときには、その利益を省きます。

そのため、おおよそ、院長先生が支払った医院の建物の請負金額の30%~40%程度になると考えてください。
つまり、設計士や建築会社は、全体の60%~70%もの利益を取っているのです。

ただ、医院や病院の建物となると、設計図面を作るのに、かなり時間がかかったり、建物の外装にデザインが入ったり、内装や配線の設置が複雑になります。
自宅であれば、軽量鉄骨でよいところ、医院であれば、柱が少ない重量鉄骨になるでしょう。

このように考えていくと、自宅に比べて、どうしても建築期間が長くなり、医院や病院は、設計士も建築会社もより多くの利益を取るのは仕方がないことです。
結果的に、1億円で建てた医院や病院の固定資産税評価額は、4000万円に下がることになります。

税率は、土地とまったく同じです。

 

1億円の新築の医院や建物は、

建物の固定資産税 4000万円 × (1.4% + 0.3%)
= 68万円

となります。

 

建物の固定資産税は、土地の固定資産税と決定的に違うことがあります。
それは、土地の固定資産税評価額は、景気の動向によって、上がったり、下がったりしますが、建物の固定資産税評価額は、原則、3年に1回の見直しがされて、下がり続けることです。

日本の景気がよくなったり、円安になれば、材料のコストが上がりますが、ほとんどの市町村で、建物の固定資産税評価額を上げることはせずに、据え置きにしています。
やはり建物は、自宅として住んだり、医院や病院として使っていれば、時間の経過とともに安くなるということが前提だからでしょう。

さらに、医院や病院は自宅と違って、看護師、患者、MR、銀行員など、人の出入りが多く、減価するスピードは速いはずです。
ずっと評価替えされずに、同じ固定資産税評価額となっているならば、市役所の窓口でその理由を聞くべきです。

それを知るためにも、院長先生は、市町村から送られてくる固定資産税の明細書を見ることが大切です。

 

また、土地の固定資産税評価額は、住宅用地の場合などであれば、特例で安くなりましたが、建物は、どうでしょうか?

(1)新築住宅には特例がある

建物も、住宅用であれば、新築建物という条件は付きますが、固定資産税は120㎡まで半額となる特例があります。
住宅用とは、下記のような要件になります。

  • 1.50㎡以上280㎡以下(一戸建て以外の賃貸住宅は40㎡以上280㎡以下)
  • 2.床面積の2分の1以上が、居住用であること

 

例えば、院長先生が2階建ての医院や病院を建てて、その1階で医院開業したときに、2階を自宅にする、または看護師や社員が住む場所にするならば、固定資産税が安くなるのです。
最初に、市町村の担当者が内見に来たときに、2階が自宅や看護師や社員が住む寮であれば、それを伝えておかないと、この特例を適用してくれません。

また、中古の医院や病院の建物を買った場合には、時間が経っているので、新築に比べると、固定資産税評価額は低くなっているはずですが、適用できる特例はありません。
中古の建物を買ってきて増築を行ったときに、それによって建物の価値が上がったとみなされると、固定資産税評価額が高くなることもあります。

院長先生の中には、
「増築しても、登記しなければ、分からんだろ?」
と主張する人もいます。

確かに、内装を変えただけであれば、分かりませんし、それで、固定資産税評価額が上がる可能性は高くありません。
しかし、増築で医院や病院の建物の外見が変わると、気づかれてしまいます。

お正月の1月1日に、空を飛んでいるヘリコプターの音を聞くことがあるはずです。
あなたは、「お正月で、どこかのテレビ局の取材かな?」と思っていたかもしれませんが、市町村のヘリコプターが1月1日時点の建物の状態を空撮しているのです。
1年前に空撮した写真と比べて、登記されずに建てられた倉庫、増改築された建物、ビルの屋上にある小屋などを探しているのです。

 

なお、住宅部分が2分の1以上の建物に、耐震基準を満たすために、増改築を行った場合には、住宅部分の固定資産税が120㎡まで、1/2まで減免される特例があります。
この特例を使う場合には、院長先生が自分で申請しないといけません。

 

(2)駐車場はカーポートまで

医院や病院の建物は当然ですが、倉庫が敷地内にあれば、固定資産税がかかります。
市町村は、登記簿謄本をもとに固定資産税をかける建物を見つけますが、歩いて実施調査を行うこともあります。

そのときに、登記されていない建物を発見すれば、担当者が出向き、設置日や所有者などを質問して、固定資産税をかけてきます。
原則は、登記簿謄本に載っている人が固定資産税を支払うのですが、例外として、登記されていない建物の場合には、聞き取りなどの方法で、所有者を確定します。

医院や病院の敷地内に倉庫があれば、院長先生、または医療法人が支払うことになります。
このとき、固定資産税がかかる建物は、定義が決まっています。

  • 1.屋根があり、3方以上の外周壁や建具で囲われていること(外気分断性)
  • 2.基礎等で、土地に固定されていること(土地定着性)
  • 3.居住、作業、貯蔵等に利用できる状態にあること(用途性)

 

医院や病院の駐車場の上に、カーポートを作っただけでは、3方以上が壁で囲われていないため、固定資産税がかかる建物には該当しません。

ところが、3方が囲われている車庫を作ったり、1階を車庫にして、2階を入り口にしている医院や病院を見かけます。
この車庫や1階の部分には、固定資産税がかかるのです。

車庫にシャッターが付いていない場合でも、3方が囲われているので、建物と認定される可能性が高くなります。
そのため、医院や病院の駐車場に屋根を付けるならば、3方が囲まれる車庫ではなく、カーポートにしておきましょう。

 

このことから、古くて雨漏りがするような倉庫、あまり使っていない車庫が敷地内にあれば、取り壊すことで、固定資産税は安くなります。
もし、その倉庫や車庫が登記されていないと、自分から申請しないと市町村の担当者が消滅したことが分からず、ずっと固定資産税がかけられていることがあります。
院長先生が市町村の窓口に行って、滅失した証拠となる資料を持っていきましょう。

 

(3)償却資産税を使う

固定資産税は、土地や建物だけではなく、償却資産(事業用資産)にもかかります。
償却資産で典型的なものとしては、医院や病院が設置した屋上の看板、駐輪場、機械式駐車場などです。

実は、建物の固定資産税評価額は、時間が経つと、評価額が下がる傾向にはありますが、それほど大きくはありません。
ところが、償却資産は、毎年、減価償却を行うため、ドンドン価値が下がっていくのです。

減価償却には、「定額法」と「定率法」の2つの方法がありますが、「定率法」の方が、経費が多きく計上できるため、医院や病院の利益を抑えるだけではなく、償却資産の価値も大きく下がることになります。

医療法人であれば、原則、「定率法」を採用するので、何の届出も必要ありません。
一方、個人の医院や病院は、原則、「定額法」となるため、まだ届出をしていない場合には、今すぐに手続きをしましょう。

ということで、新築で医院や病院の建物を建てたら、できるだけ、償却資産が大きくなるように、分けることが大切です。
必ず、建物に含まれてしまい、償却資産とはならないものには、定義が決まっています。

  • 1.建物の所有者が所有するもの
  • 2.建物に取り付けられ、建物と構造上一体となっているもの

金額が大きなものとしては、医院や病院に設置されたエレベーターが該当します。

 

とすれば、これ以外のものは、すべて償却資産として分離できるのです。
最初に分離しておかないと、あとで市町村の担当者と交渉しても、変更できないことが多く、ずっと無駄な固定資産税を支払い続けることになるので、注意してください。

 

このように、土地だけではなく、建物の固定資産税評価額も下げる方法があるのです。

院長先生は、医院や病院、医療法人、MS法人が支払っている固定資産税は安くならないと勝手に思い込まず、もう一度、見直してみましょう。

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