患者を、小冊子へ誘導して、診察を提案するのです

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医療関連のコンサルティング
2012/02/20
患者を、小冊子へ誘導して、診察を提案するのです

医院経営や病院経営で、ニュースレターを発行するのは、当たり前になってきました。

ニュースレターは、A4またはB5の1枚の用紙をカラーで印刷し、受付の横などに置いてあるものを指します。

「今月のお知らせ」などというタイトルで、流行りの病気の予防方法や医院や病院の行事、休みの日などをお知らせしているものを良く見ます。

紙面の関係もあり、全員に渡すということを考えると、それほど、深い内容のことは書けませんし、書かない方がよいでしょう。できるだけ、薄く広く、患者とコミュニケーションを取るツールなのです。

一方、あなたが、診察室で、患者に30分も解説できないことは、変わりません。診察時間を長くすれば、医院経営・病院経営は赤字になります。(精神科や心療内科などは除きます)

そこで、口頭では説明する時間がないことは、小冊子やメルマガの文章で補完することで、患者とのコミュニケーションを取ることが最善策となります。

ここでは、医院経営や病院経営での小冊子の作り方を解説しますが、まずは、小冊子を手に取ってもらわなくてはいけません。

そこで、ニュースレターやホームページで、患者を誘導する文章を入れましょう。

○○の病気について、詳しいことが知りたい方には、小冊子(資料)を無料でお配りしております。窓口の横に置いておきますので、ご自由にお取りください。
小冊子がない場合には、スタッフまで、声をおかけください。

小冊子に誘導することについては、医療法や医療広告のガイドラインで規制されていることではないため、表現さえ気をつければ、問題ありません。

次に、小冊子の内容ですが、下記の3つをできるだけ、取り入れてください。

【1】写真、またはイラストを多く使う

患者が、小冊子を手にとって、中をパラパラと見たときに、文章だけよりも、写真があった方が、簡単に読めるような気持ちになります。

どれほど、分かりやすい文章で小冊子を作ったとしても、まずは興味を持って、読み始めてもらえなければ、意味がありません。

【2】内容は、深く狭く

ニュースレターと違って、小冊子の内容は、病気に関して、深く狭く書いてください。専門用語を使うのも問題ありませんが、その説明文章は載せてください。

それによって、診察室で、患者から質問が出てくるようになります。

また、1つの小冊子に、複数の病気の説明をするのではなく、1つに絞って、薄く作ってください(100ページが限度)。

その結果、あなたの医院や病院が、複数の小冊子を提供することになってもよいのです。

【3】本のように、バラバラにせずに、綴じる

ホームページなどでダウンロードしてもらうよりも、あなたの医院や病院に来院した患者に、小冊子を渡すようにしてください。どうしても、ダウンロードして打ち出すと、捨てられやすくなります。

また、ホームページで不特定多数の人に配ると、医療法や医療広告ガイドラインの規制対象になってしまいます。

あなたを信頼している患者に、小冊子として綴じてあるものを渡せば、捨てられる確率は低くなります。家にその小冊子を保存してもらえれば、次回の治療のときにも、あなたの医院や病院を思い出してくれるはずです。

小冊子は印刷して綴じても、それほどコストはかかりません。駅の看板に比べて、費用対効果は、格段によいはずです。

【4】体験談や院長先生のプロフィールを書く

小冊子には、他の患者の体験談やあなたのプロフィールを入れてください。この体験談は、あなたの医院や病院で治療した人でなくても構いません。以前の大学病院で診ていた患者に頼んでもよいのです。

ただ、どうしても、体験談の掲載が難しい場合には、お知り合いの教授の推薦文、それでも難しい場合には、著名な方の意見を抜粋して、掲載してください(小冊子で、その参考文献を明らかにすることが必要です)。

とにかく、あなたの医院経営や病院経営とは関連しない、第三者の意見が掲載されていることが重要です。なお、院長先生のプロフィールの書き方の詳細は、次の機会に解説します。

以上の4つは、小冊子を作るときの基本です。

そして、下記の【5】が、具体的な小冊子の内容となります。

【5】提案する内容を盛り込む

医院や病院のパンフレット、ニュースレター、メルマガでは紙面が限られていますし、ホームページでは、ページを順番に読んでくれないため、どうしても、説明する、解説する、お知らせするという内容になってしまいます。

一方、小冊子は、前から順番に読んでくれるため、ストーリーを作りやすいのです。ただ、小説のように、起承転結で書く必要はありません。

あなたの医院経営・病院経営で使う小冊子は、

概要(導入) → 詳細な解説 → 体験談 → 提案

という順番で書くことをお勧めします。

この「提案」とは、患者がこれから、行動を起こすことを、動機付ける(誘因する)ものでなくてはいけません。それを伝えるために、小冊子を書いていると考えてください。

行動とは、

  • (1)あなたの医院や病院での専門分野の自由診療を申し込むこと
  • (2)肝炎ウイルス検診、胃がん検診や脳ドックなどの検査を受けること
  • (3)予防接種を受けてもらうこと
  • (4)もっと身近な生活習慣を改めさせるもの
  • (5)総合病院であれば、セカンドオピニオンを依頼してもらうこと
  • (6)介護サービスを申し込んでもらうこと
    (ただし、あなたの医院や病院と同一敷地内に併設されている場合のみ)

など、何でも構いません。

ただ、小冊子を書くときには、「特定の患者に提案する内容」を決めて、その結論に矛盾しないように、概要、解説、体験談を書いてください。
あくまで、「特定の患者」を想定することです。

小冊子に、一般的なことを書いても、患者の行動を誘引することができないからです。患者を、その気にさせるためには、自分のことだと思わせることが大切なのです。

そのあと、あなたが診察するときに、患者から、小冊子で書かれていたことを実践していますとか、それに関する質問を聞かれるようになれば、コミュニケーションの効果が出てきている証拠です。

医院経営や病院経営で、小冊子を作ることは、コストに比べて効果が高いだけではなく、患者の病気に対する知識を深めることにも、繋がるのです。

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