患者とのコミュニケーション技法を、どこまで理解していますか?

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2013/04/10
患者とのコミュニケーション技法を、どこまで理解していますか?

患者とのコミュニケーション技法を、どこまで理解していますか?医師と患者のコミュニケーションによって、患者が感じる満足度は大きく変わります。

このコミュニケーションとは、楽しく会話をすることでもありませんし、指導的なカウンセリングを行うことでもありません。欧米では、医師と患者との間のコミュニケーション技法というものが、ずっと研究されてきました。

日本でも、最近は、「医療コミュニケーション」を大学のカリキュラムに取り入れられているようです。

ただ、大学で病気や薬を勉強するカリキュラムに関しては熱心でも、将来の医院経営や病院経営を考えて、コミュニケーションのスキルを磨こうと考える学生は少ないでしょう。
大学病院や大手の民間病院で働いている勤務医の時期も、外来患者は断っているほど自動的に来るものなので、コミュニケーションに関心はないでしょう。

それよりも、難しい手術の技法を学んだり、新しい再生医療などの研究会に出席したいと考える先生が多いはずです。

それでも、患者に分かり易い説明を行うという姿勢は指導されることはあるはずです。ただ、コミュニケーションの技を磨こうとまではなりません。
ところが、独立開業して、自分が医院経営や病院経営を行うことになると、院長先生としてのコミュニケーション能力の重要性に気付くのです。それによって、患者の数はかなり違ってきます。

それどころか、看護師や窓口のスタッフのコミュニケーションに関して、院長先生が指導する立場になるのです。

単純に、丁寧で時間をかけて患者に説明すれば、満足度が高まるという考えは間違いです。その患者は満足しても、次の患者の待ち時間が増えて、不満が高まるからです。1日に診れる患者の数も減り、医院経営や病院経営の資金繰りにはマイナスの効果しかありません。

そこで、コミュニケーションの時間ではなく、質をよくすることで、短時間で効果を上げる方法を考えることになります。

統計的にも、患者は面談時間が5分から10分程度であっても、十分満足だと感じています。
それでは、どうすれば、コミュニケーションの質を上げることができるのでしょうか?

【1】患者から会話できる雰囲気

患者が診察室に入ってきたら、院長先生は、自分の名前を名乗って、あいさつをすることです。
そして、院長先生は、患者に対して、病名を決めつけた態度を取ってはいけません。

「今日は、どうされましたか?」「どのような気分ですか?」
などと、患者が広く答える質問を投げかけることが大切です。
患者から話をしてもらう、それを院長先生が聴く態度を取ることで、さらに会話を推し進めていきます。

院長先生は患者の会話を促し、共感することが大切なのです。
もし患者の会話を途中でさえぎったり、専門用語を頻繁に使うと、患者の満足度は下がってしまいます。

最後には、「他には、何かありませんか?」と、院長先生から確認してください。

私の提案を聞いて、「患者からの会話を待っていては、5分から10分で診察が終わらなくなる」と、ある院長先生から指摘されたことがあります。
患者が上手く痛みなどを説明できないときまで、じっと待っているのではなく、院長先生が促して、会話を助けてあげることでスムーズになります。

また、最後に、「他に、何かありませんか?」と聞くと、診察の時間が長引くと不安になると言われた、院長先生もいました。
ただ、最後に「他に、何かありませんか?」と聞かれて、ほとんどの患者が「何もありません」と答えるのです。

つまり、患者に進行を預けるようなコミュニケーションであっても、時間は5分から10分で終わります。

【2】患者によって、対応を変える

すべての患者が初診ではありません。
半年ぶりで初診であっても、何年間にわたり、何度も来院している患者もいます。
インフルエンザなどの急患で、会話をしている状態ではないこともあります。
患者から、「今は仕事を忙しくて、薬だけで出して欲しい」と言われることもあるでしょう。

患者が、診察室のドアから入ってきて、診察を終えて出ていくまで、院長先生はいくつかのケース分けをして対応すべきということです。
ここで気を付けるべきことは、初診の患者には、時間を長めに取って、コミュニケーションを行うことです。

統計的に、初診の面談に不満を感じる患者は、あとで、医院や病院を転院する傾向が強いという結果になっているからです。
また、逆に初診の面談に満足した患者は、「口コミ」で他の人に推薦しやすいという結果になっています。

【3】看護師と連携する

患者は、診察室で院長先生と話をすることだけではなく、医院や病院の玄関から入って、窓口で精算して出ていくところまでで、判断します。
特に、患者は院長先生に対して話すことを、緊張しています。そのため、診察室では自分が聞きたいこと、言いたいことの半分も出せないのです。

一方、看護師やスタッフに対してならば、もっと検査のことや治療について聞きやすいというのが患者の本音です。

そこで、看護師による事前問診、スクリーニング面談、栄養士による食事指導などを行うことで、院長先生と看護師やスタッフが連携して、患者とコミュニケーションを取ることで効果を倍増できます。
このとき、事前に全員で情報をどのように共有していくかを決めておくことです。
患者が看護師に伝えたにも関わらず、院長先生はまったく知らなかったでは、満足度は下がってしまいます。

もちろん、このリーダーシップを取るのは、院長先生しかいません。

また、看護師やスタッフはロールプレイングで、何度か患者への対応方法を練習しなくては上達しません。
突然、今日から、新しい対応方法を導入しますと伝えても、機能しないばかりか、看護師やスタッフの不満が増えるばかりです。

【4】効率を高める

患者からの情報が事前に整理されていると、院長先生の診察も効率的になります。
医院経営や病院経営のコストの関係で、看護師による事前問診が難しい場合もあります。看護師の数を増やす必要があるからです。

それならば、事前に定型の問診票を作って、それを患者に渡して、できるだけ細かく情報を書いてもらうようにしましょう。
紙で残して整理しておけば、どのような種類の患者が多いのかという傾向を掴むデータとしても使えます。

「患者が伝えたい症状、聞いておきたい治療内容、薬について」などができるだけ整理された形で、院長先生の手元にあることで、診察のコミュニケーションも効率よくなります。

このとき、病気の症状だけではなく、その人の生活習慣(食事、飲酒や運動、睡眠など)や職場の環境などまで聞き出す項目を作っておけば、さらに突っ込んだ会話ができます。

個人ごとに違うコミュニケーションを取ることで、患者の満足度は上がります。
全員に、同じ態度と会話なんだろうなと感じさせてしまっては、ダメです。

このように、院長先生が患者と会話を楽しむことではなく、事前にどのようにコミュニケーションを取るか準備しておくことが、満足度を上げる秘訣だということなのです。

医院経営や病院経営では、患者とのコミュニケーションの質を上げることをいつでも考えることが大切です。

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