限られた診察時間内で、どれだけ、患者さんの気持ちを理解してあげれるのか?

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2012/12/05
限られた診察時間内で、どれだけ、患者さんの気持ちを理解してあげれるのか?

医院経営や病院経営は、急患を受け入れるというビジネスです。

病気になった人が、朝から窓口に並んで診察券を出して、順番に院長先生に診察してもらうということです。

健康診断や予防接種でなければ、風邪の予防で医院や病院に行く人はいません。風邪をひきそうだから、内科に行ったら、逆にうつされてしまいます。(歯科医院は、予防の患者を受け入れるビジネスです)

そのため、急患がほとんどであり予約制は上手く機能せず、循環器科、慢性疾患専門でないかぎり、患者は待ち時間が1時間、診療時間は5分ということになります。

ただ患者は、医院や病院での診察時間が長ければ満足するものではありません。
たったの3分の診察であっても、診察する院長によって患者の同じということでもないのです。

結果的に評判がよくて混んでいるため、待ち時間は長いけど、患者が満足している医院や病院が世の中には、たくさんあるのです。

患者は、インターネットを通じて、自分の意見を主張できる場ができました。
今までは地域の口コミだけでしたが、これからは、そこでの噂によっても、医院や病院の評判が左右されてしまいます。

1人の患者に対する対応に気を付けて、短い診察時間をどれだけ有効に使って、プレゼンするかが、医院経営や病院経営を成功に導くためのポイントになっているのです。
自分の病気やこれからの対処法を理解できることは、患者にとっても望ましいことです。

ただ、診察室でプレゼンする前に、医院や病院側が、患者のことをよく知らなくてはいけません。
そのためには、「患者が来院した目的」をまずは探りましょう。

  • 内科  ⇒ 高熱があり体がだるく、歩くのもやっと。
  • 皮膚科 ⇒ じんましんでかゆい。
  • 眼科  ⇒ 朝起きたら目がはれて痛い。

これは誰が見ても分かる症状です。
でも、もう一歩、踏み込んで、患者の目的を考えると違ってきます。

高熱があり体がだるい。
⇒ 食事の支度も含めて、家事ができない。
⇒ 家族が困っている。
⇒ 速効性のある方法で熱を下げたい。

じんましんで、体中がかゆい。
⇒ 昨日の夜、寝れなかったので、イライラする。
⇒ ゆっくり寝たい。

朝起きたら目がはれて痛い。
⇒ 痛みで仕事に集中できない。
⇒ 早く会社に行きたい。
⇒ はれたのは眼帯をすれば隠せるが、痛みだけは抑えたい。

という想像ができれば、

「この薬を飲めば、すぐに熱は下がって、動けるようになりますよ。」
「寝れないのは、つらいですよね。じんましんが出ている理由を探しましょう。」
「この薬で、眼の痛みはすぐに取れて、会社に戻れますよ。」

などと、院長が声をかけるだけで、患者は、「ああ、自分のことを、よく分かってくれている」と安心します。これが、患者と共感できるコミュニケーションなのです。

患者を観察するだけでは、このような目的には気づきません。
院長も看護師も、3つのことを大切にするべきです。

【1】単なる患者の言葉を「聞く」のではなく、耳を傾けて「聴く」体制を取ること

【2】できるだけ、分かりやすい言葉で、意見ではなく、説明を心がけること

【3】納得したという顔をするまで、コミュニケーションを取り続けること

まず【1】ですが、同じ質問をしても、患者によって回答は違います。

ただ院長が、少しぐらい回答が違っても、結果は同じ意味だと思い込み、診察を続けてしまうことがあります。
なぜ、この患者は他の患者と違う回答をしたのか、もう一度、考えて欲しいのです。

次に【2】ですが、優しい口調であっても、そっけないということがよくあります。

例えば、注射をした患者から、院長に「今日は、お風呂に入ってよいですか?」と聞かれたとします。院長は、ニコッと笑うのですが、その答えが「ダメです」だけでは、患者に理由を教えていないことになります。これでは、患者に対して命令しているのと同じです。

最低でも、院長の答えは、
「今日は湿気が多くて暑いので、お風呂に入りたいですよね。ただ、注射の箇所が、赤く腫れてしまうことがあるので。まぁ、どうしてもというならば、シャワーだけならよいですよ」
とするべきです。

これで、たったの10秒ぐらいのコミュニケーションです。

最後に【3】ですが、これが一番、難しいでしょう。

というのは、医院経営や病院経営の観点から考えると、患者は早く回転させて、スピード勝負で診ていくべきだとなります。
そこで1つの提案ですが、患者にメモ用紙と筆記用具を渡して、メモしてもらうという方法があります。

昔は、「患者は、しっかりメモを取りましょう」というキャンペーンがありました。
患者は家に帰って、そのメモを読み返して、腑に落ちるということもあるのです。
難しい用語も、調べれば分かります。

医院や病院にとっても、メモを取っていれば、あとから患者が「説明を受けていない」というクレームが少なくなります。

そもそも、説明を受けていながら、「受けていない」と文句を言う患者は、ほとんどいません。(中にはいますが、その患者は説明のことだけではなく、いちいちクレームを言うはずです)

結局、患者は説明されたけど意味を理解できなかった、もしくは説明が長くて、どこにポイントがあるか分かなかった、ということが多いのです。

それで、院長や看護師としては「説明したはずなのに」・・・患者は「説明なんて受けていない」というコミュニケーションのギャップに陥ってしまうのです。

患者がメモを持っていなければ、「ご自由にお使いください」と診察室の入り口に置いておくだけでよいのです。

一方で、院長や看護師もいい加減な説明ができないと引き締める効果もあります。

どのコミュニケーションもちょっとしたことで、難しいことではありません。

時間がかかることでも、コストがかかることでもありません。

それでも、以上のようなことを心がけるだけで、今まで以上に、患者とコミュニケーションが取れるようになるはずです。

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