セルフメディケーション税制について、患者から聞かれることも多くなるはずです。

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2017/03/30
セルフメディケーション税制について、患者から聞かれることも多くなるはずです。

セルフメディケーション税制について、患者から聞かれることも多くなるはずです。

個人事業主だけではなく、会社役員やサラリーマンが1年間の生計一の親族の医療費を合計して、下記の計算によって超過する金額があれば、医療費控除として確定申告することで所得税が還付されます。

セルフメディケーション税制について、患者から聞かれることも多くなるはずです。

ただ実際に1年間の医療費を合計しても10万円を超えずに、合計が9万円となれば、集めた領収書等は何も使えず、廃棄するしかありません。もし合計が11万円となったとしても10万円を差し引いた1万円だけが所得控除の対象となるのです。

親族の誰かが入院した場合以外では、医療費控除の恩恵を受けられる人が少ないことから、平成29年1月1日からは新しいセルフメディケーション税制が始まりました。

これは1年間の対象となる医薬品の合計額が1万2000円を超えると、超えた金額が8万8000円に達するまで所得控除の対象となり、所得税が還付される制度です。

例えば、年収1000万円の人で1年間10万円の医薬品を買ったとすれば、医療費控除は申告できませんが、セルフメディケーション税制であれば8万8000円を差し引くことができます。1000万円の人であれば、社会保険料の金額や扶養控除の金額によって変わりますが、約3万円の所得税(住民税も含む)が還付されます。これは、年収が高い人ほど、所得税の税率が上がるため還付される金額は増えていく計算となります。
それでは、どのような人が確定申告することができ、なにが対象となり、医療費控除とどこが違うのでしょうか?

院長先生の中には、「セルフメディケーション税制は、医院経営や病院経営と関係があることなのか?」と感じる方もいるかもしれません。ただ、患者から聞かれたときに、全く知らないというよりも、少しでもコミュニケーションできるように基礎知識は知っておくべきです。

また院長先生から、「1000万円の年収の人でも、たったの数万円の還付だと、ほとんど意味がないよな」という発言を聞くこともあります。でもそれは院長先生の金銭感覚であって、患者の中には数万円でも戻ってくるならば、ぜひやりたいと考える人も多いのです。ちょっとした感覚のズレが、患者から「あそこの院長先生は感じが悪い、上目目線だ」と言われてしまう原因になります。

患者の立場で助言してあげて、それが結果的に役に立たないことであっても、院長先生と良好な関係を築く一因となると考えるべきなのです。

ということで、院長先生もセルフメディケーション税制について基本的なことを知っておきましょう。

 

1.対象となる人は誰か?

1年間(1~12月)で健康の維持増進および疾病の予防への取組として、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診等のいずれかを受けている人が申告できます。例えば、インフルエンザの予防接種を受けている、もしくは会社などで健康診断を行っているだけで対象となります。予防接種は領収書等の提出することで、健康診断は結果通知表のコピーを提出することで証明できます。

つまり、社会保険に加入している会社役員やサラリーマンであれば、特別に何もせずに含まれるのです。

このとき働いている夫が買った医薬品だけではなく、生計一の親族が買った医薬品はすべて合算して計算できます。生計一の親族とは一緒に暮らしていなくても、東京で下宿している子供、実家の両親など、生活費を負担していれば該当します。つまり、財布が一緒であればよいのです。

また、生計一の親族がすべて健康診断等を受けている必要はなく、確定申告をする夫だけが受けていれば問題ありません。さらに妻が共働きであったとしても、妻の医薬品についても、夫のセルフメディケーション税制の対象の医薬品として合算できます。

 

2.対象となる医薬品は何か?

医師の処方箋がなくてもドラッグストアで購入できる医療用医薬品から転用された83成分を含むOTC医薬品(例:かぜ薬、頭痛薬等)が対象となります。現在は約1600品目あり、下記の厚生労働省のHPにも一覧が記載されています。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000153114.pdf

これを見て「これをいちいち確認するのは、無理だ」と患者は思うでしょう。

でも実際には、いちいち確認する必要はなく、医薬品の箱にセルフメディケーション税制のマークが印刷されているか、シールが貼られています。

セルフメディケーション税制について、患者から聞かれることも多くなるはずです。

これを見て、対象となる医薬品であることが判明します。
また、これを見落とす場合もありますし、セルフメディケーション税制が平成27年1月1日から始まったのですが、箱の印刷が間に合わなかった医薬品メーカーもありました。そこで、ドラッグストアなどのレシートには、対象となる商品名の前にマーク(例:★、●等)を付けることになっています。もしマークがつかない場合でも、対象商品のみの合計額を分けて記載してくれることになっています。合計額が分けられていれば、あとで患者が集計する手間もかかりません。

 

3.確定申告のときに必要となる書類は何か?

セルフメディケーション税制を確定申告するときには、下記の5項目が必要となります。

セルフメディケーション税制について、患者から聞かれることも多くなるはずです。

上記を見れば分かりますが、これはレシートがあれば、すべて記載されています。つまり、ドラッグストアなどで、いちいち領収書をもらう必要はなく、レシートだけを保存しておけばよいのです。

ただドラッグストアではレシートを再発行してくれない店舗も多いので、患者からセルフメディケーション税制について質問されたら

「平成29年1月1日からは、自分が買った医薬品の領収書だけではなく、親族が医薬品を買った時のレシートも捨ててはいけません」

ということは、最低でも伝えましょう。

 

4.控除の対象となる金額はいくらか?

実際に、患者が平成29年1月1日以降に支払った税込み金額が控除の対象となります。

そのため例えば、ドラッグストアで一律5%の割引セールを行っている場合には、割引されたあとの金額が対象となるのです。しかも、税抜き金額とそれに消費税が合算されているレシートであれば、その再集計された最後の数字を使うことになります。

そして、支払ったときに判定できますので、通信販売等で平成26年12月31日までに対象となる医薬品を購入したが、支払日が平成27年1月1日以降となる場合には所得控除の対象となります。もし平成29年12月31日までに注文したが、平成30年1月1日以降の支払いになる医薬品は、来年度の確定申告での所得控除の対象となります。

 

5.医療費控除との併用はできるのか?

医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できません。

そのため、患者が1年間で10万円超の医療費がかかった場合には、どちらで申告した方が得になるかシミュレーションを行い、選択して申告することになります。このとき、医療費控除の対象となる領収書等とセルフメディケーション税制の対象となるレシートは一部重複しますが、同一ではありません。

そのため今後は、患者から質問された場合には、医療費控除で使える領収書等についてのことなのか、セルフメディケーション税制の対象となるレシートのことなのか、注意して答える必要があります。

院長先生としては、セルフメディケーション税制について、上記のことぐらいを知っておけば問題ないと思います。もっと詳しいことを知りたい場合には、医院や病院には顧問税理士がいるはずですので、聞いてみてください。患者とのコミュニケーションは、患者の目線で会話をすると、親近感を持ってもらえることが多いのです。

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